いつか僕らが出逢うとき

転生現パロ、竹谷にょた

1.いつか僕らが出逢うとき

鉢屋三郎と不破雷蔵は、物心がつくまえから一緒に居た。一緒に居ることが当たり前だったとも言える。二人に血の繋がりは無いが、彼らの周りの大人たちは口を揃えてこう言った。

「まるで双子みたいにそっくりね」

その言葉通り、顔の造りはもちろん、髪質から体格、指先の細部に至るまで、ほとんど差異が見受けられない。更に彼らの母親たちが、面白がっていつも揃いの服を着せるので、初対面の人には必ず、双子なのに何故名字が違うかと訊ねられたものだ。


竹谷八左ヱ門のあだ名は“もの○け姫”である。生き物が大好きな性格と、自宅で大型犬を3頭飼っていることから、周囲がそう称した。彼女が口笛を吹けば鳥が近寄ってくるし、外で昼寝をしていればいつのまにか横に猫がいる。散歩の最中に野良犬がくっついてくることもざらだった。まさしく獣に愛された“も○のけ姫”に相違ない。


久々知兵助は豆腐に対して、尋常ならぬ拘りを持っていた。普段はちょっと不思議なクールビューティーとして、女子の人気も高い美少年である。しかし、ひと度豆腐が関わると、大豆の種類からにがりの質まで、引かれるくらいに情熱的になるのだ。人びとは、彼を畏敬してこう言う。久々知兵助は、生粋の“豆腐小僧”である、と・・・・


尾浜勘右衛門は、今が楽しければそれでいいと考える刹那主義者だった。彼には人に同情されるような過去も、未来のために現在を犠牲にできるような大きな夢もない。また自分に関わる人が、どんな過去を過ごしていようと、どんな未来が待っていようと、そんなことはどうでもよかった。大切なのは、自分の魂が今、何を求めているのか。この一点のみである。


この春、この五人が高校で、運命の出逢い(再会)を果たす。

2012.4/3

【そんな僕らが世界の中心!5題】より
お題配布元→空を飛ぶ5つの方法

[ 5/113 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -