カプリッチオ

うたプリパロ、気持ちにょたけ、三郎ルート

○カプリッチオ

「だから!鉢屋がどんな歌を歌いたいのか教えてくれないとこの曲は完成しないの!」
「誰が言うかバーカ!」

大川学園のAクラスに所属する竹谷八左ヱ門と鉢屋三郎はパートナーである。最初の課題で、アイドルコースと作曲家コースがペアを組み、一つの曲を仕上げるように担任から言われたのだが、アイドル志望の鉢屋が全く協力してくれないので、竹谷は困っていた。同じクラスに在籍しているアイドル志望で鉢屋の従兄弟である不破雷蔵に相談しても、彼が悩みきってしまいあまりいい答えは出なかった。

「鉢屋!とりあえず曲を何パターン作ってみたから、どれが一番好みに近いか教えて」
「しつけぇな」

この様に毎日冷たくあしらわれる。でも竹谷は諦めなかった。毎日一人で教室に残り、泣きながらまた新しい曲を作る。それを次の日、鉢屋に聞かせて、ダメと言われて、好みや直すべき点を聞いても拒否されて、それでも涙を流しながら、毎日毎日居残って新曲を作り続けた。

「ねぇ、じゃあせめて鉢屋のこと色々教えてよ」

ある時、いい加減疲れきっていた竹谷は、曲を聞かせる前にそう切り出した。

「はあ?何だよ急に。雷蔵に聞けばいいだろ」
「本人に聞かなきゃ意味ねぇの」

いつも噛みつかんばかりの勢いで向かってきていた竹谷が、今日ばかりは元気がない。

「よく思い返したらさ、俺お前のこと何も知らねぇんだ。歌うことが本当に好きなんだなって言うのは見ててわかる。特に雷蔵とハモるのとかすっげぇ嬉しそうだし。でもそれだけ。だからさ、まずお前に友達として竹谷八左ヱ門を受け入れてもらおうと思って」

それに、作っても作っても気に入ってもらえないの辛いし・・・・と続ける。それを見て、暫しの沈黙の後、ついに鉢屋が折れた。

「・・・・俺は、童謡や歌謡曲、演歌、アニソン、ポップス、ロック、オペラ、地唄、いままで色んな歌を歌ってきた」
「?」
「どのジャンルのどの歌も、俺の歌い方しだいで良いものにも悪いものにもなる。それがすっごく楽しいんだ。だから、どれが歌いたいって言われても、本当に何でもいい。どんな曲でも俺が最高の歌を歌い上げる。だから・・・・」
「・・・・」
「俺は、お前の曲が歌いたいとしか答えられない」
「俺の、曲・・・・」
「お前は本当に色んな曲を作るよな。しかも荒削りだが技術もそうとうだ。どの曲を歌ってもめちゃくちゃ楽しいんだろうな、きっと」

初めて、竹谷に向けてふんわりと笑う。

「それに、毎日放課後に教室占領して、泣きながら曲作られるのも嫌だしな」
「っ!」

鉢屋は知っていた。竹谷が一人で泣いていたことも、放課後に一人で曲を作っていたことも。

「それだけ頑張ってるくせに、俺の好みを入れようと中途半端な曲にしてるのが嫌だったんだ」
「中途半端・・・・」
「俺は、お前の曲もお前も・・・・結構好きだから」
「ホントに!?」
「あぁ本当だ。だからとりあえず、お前が俺に歌わせたい曲持ってこいよ」

完璧に歌い上げてやるからさと言って、鉢屋は竹谷の目元にそっと触れた。

おわり

寝る前までデビューやってたからか、こんな夢を見た。
い組はSクラスwwwww
そのうち雷蔵のパートナーが家庭の事情で退学して、学園長の思い付きで三郎&竹谷のコンビにいれて卒業試験は二人のユニットでやれと言う。
雷蔵は竹谷と割りと仲良しだから三郎が複雑な気持ちに←

2012.5/30

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