ガールズトーク

にょ竹とにょ雷、くく竹、三郎と雷蔵はいとこ

○ガールズトーク

「雷蔵って何の化粧水使ってんの?」

放課後、学級委員として先生に呼び出された三郎と勘右衛門、そして日直で職員室に向かった兵助を待ちながら二人で談笑をする。と、突然思い出したように八左ヱ門がそう問うた。

「え?」
「だって肌すべすべじゃん。色も白いし」

羨ましいと言いながら、そっと雷蔵の頬に指を這わす。

「んーと、決まったメーカーはないかな。だいたいいつも適当に買ってる」
「ちなみにいまは?」
「雪ごこち。三郎が買ってきてくれたやつ」

なるほど、大雑把で適当な雷蔵にかわって、几帳面な彼女のいとこがそちらの世話も焼いているのか。さすが女の子より女子力の高い男だな、と八左ヱ門は思った。

「乳液も?」
「乳液はまた別。この前無くなってからコンビニで買ったやつだよ。えっとね、極潤だったかな?」
「あー、乳液が先に無くなったんでしょ」
「うん、だって同じ値段でも乳液の方が量少ないから」
「少ないよね。でも違うメーカーの化粧水と乳液はやじゃない?」
「え?いや?」
「うん。なんか変な化学反応とか起きたらイヤだなって思っていつも同じの買っちゃう」
「化学反応って・・・・」

雷蔵は口元に手を当ててくすくす笑う。

「顔につけるものだから無いってわかってるんだけどさ、洗剤とかはそういうの書いてるじゃん」
「書いてあるね。じゃあハチはずっとおんなじ化粧水と乳液なんだ?」
「うん、おんなじやつ」
「ちなみに何?」

先ほど、八左ヱ門は雷蔵の肌がすべすべだの色白だの言っていたが、雷蔵からすれば八左ヱ門の肌はもちもちで触りごこちがとても良い。委員会で野外活動が多い都合上、決して色白と言えるほどではないが、健康的な肌の色をしていて、それはそれで魅力的だと思う。雷蔵の問いに、目をあちらこちらにさ迷わせてから、言いにくそうに口を開いた。

「・・・・と、豆乳イソフラボンの」
「あーあるねー。それはまだ使ったことないかも」
「こんどお試しで使ってみる?泊まりに来ればいいよ」
「お泊まり!いいね、ぜひ!」
「じゃあ決まり!」

日にちなどはまたあとで相談、ということになった。

「ところでさ」

先ほどから気になっていたことを言う。

「ん?」
「豆乳イソフラボンを使ってるって知ったら、兵助よろこびそうだよね」

八左ヱ門の彼氏で、自他共に認める豆腐狂の久々知兵助を思い起こす。

「い、言わないでよ!絶対言っちゃだめ!」

声をあらげてそう宣う様子に雷蔵はまた口元に手を当てて笑った。

「ふふふ、やっぱり兵助意識して選んだんだ」
「も、もう、雷蔵のいじわる」
「ごめんごめん。ハチかーわいーい」
「雷蔵の方が可愛い!」

キャッキャッとじゃれあう二人は気付いていなかった。教室の外で三郎たちがニヤニヤと会話を聞いていたことに・・・・。

おわり

三人称の練習。


2012.5/13

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