輪る運命の輪

双忍竹で輪るピングドラム(捏造多し)パロ、冠葉→三郎、晶馬→雷蔵、陽毬→にょたけ

○輪る運命の輪

僕らの可愛い妹は不治の病に倒れ、先ほど息を引き取った。

久しぶりに行った思い出の水族館で、ペンギンを見て、サメを見て、イルカを見て、それからお土産屋さんに寄った。そこでハチが見つけた帽子があまりにもハチによく似合ってたから買ってあげた。それを女の子とのメールばかりしている三郎にも見せようと、キョロキョロ辺りを見回している間にハチは姿を消した。慌てて捜した末、ペンギンの水槽前で倒れているのを発見し、すぐさま病院に搬送されたが、お医者様の努力も、僕らの祈りもむなしく・・・・

「ハチィ、なぜ死んだぁぁぁあああ!」
「ごめんねハチ、助けてあげられなくてごめんねっ」

ただの屍と化した可愛いハチの体にしがみついて泣きわめく。本当は数日前、担当医の新野先生に、これが最後になるかもしれないから、ハチのしたいようにさせてやるようにと言われていた。ハチは明日をも知れぬ我が身だとわかっていた。それでも、きっとまた明日も隣で笑い合えると信じていたのに。ぎりぎりと帽子を握りしめる僕から、そっと抜き取って、三郎はハチにそれを被せた。

「雷蔵、俺は悔しくてたまらない。どうしてハチなんだ!病気を移せるのなら、俺が代わりになってやりたかった!」
「それは僕も同じ気持ちだよ三郎」
「雷蔵・・・・」
「もしこれが僕らの運命だって言うなら、神様は残酷だ」
「そうだな」
「僕は運命って言葉が大嫌いだ!」

わーっと三郎にしがみついてみっともなく、僕は神への暴言を吐き続けた。それに同調しながら、三郎もまた僕をかき抱く。その時だった。

「生存戦略ー!」
「「!?」」

突然響いた声に顔を上げると、そこには上半身を起こしたハチがいた。

数日後、検査を重ねて異状がないと判断されたハチは、我が家に帰ってきた。二人で台所に立ち、朝食を作る。

「雷蔵、これはあとお味噌入れるだけ?」
「うん。よーく溶かしてね」
「はーい」

死亡宣告を受けたのがまるで嘘のようにハチは元気になった。新野先生もこれは奇跡だ、黄泉返りだと驚く始末。どうしてこうなったのかはともかく、僕らはまた、以前と同じように兄妹三人で暮らし始めた。

「雷蔵、そろそろ時間ヤバイぞ」

三郎が居間からひょいっと顔を出す。

「ホント!?わわっ、どうしよまだ途中!」
「俺が引き継ぐから準備急げ」
「うん頼んだよ!」

なんの問題もなく退院したとはいえ、数日前まで不治の病と言われた身である。そんなハチを一人残すわけにはいかず、当分の間、僕たちは交互に学校へ行くこととなった。今日は僕の番である。急いで仕度を整えて、玄関へ向かう。

「あ、待って雷蔵、はいおにぎり」
「え?」
「朝ごはんは抜いちゃだめなんだぞ。だから歩きながらおにぎり食べて」
「ありがとうハチ」
「どういたしましてー」
「気を付けていってこいよ」
「うん、いってきます。二人とも留守番まかせた」

と、扉を開けたら、そこに差出人不明の段ボールが届いていた。宛先は我が家になっている。

「どうした?」

扉を開けたまま動かない僕を不審に思ったのか、三郎が問う。

「なんか宅配便がある」
「宅配便?」
「あー、でももう行かなきゃ、あとよろしく!」
「えっ、あ!いってらっしゃい!」

この後、宅配便の段ボールから、奇妙な生き物が三匹出てきて、帽子を被ったハチに何かが降臨して、その何かに僕と三郎がハチの命を救いたいなら言うことを聞けと言われることになる。だが、慌てて出掛けた僕は、そのことをまだ知るよしもなかった。

おわる

最後、どこで切っていいかわからなかったwwwww

その他
ペンギンズ→乱きりしん
苹果→勘ちゃん
桃果→伊作
真砂子→久々知
マリオ→喜八郎
多蕗→文次郎
ゆり→仙様
眞悧→黒タカ丸
シラセ・ソウヤ→滝、三木

って考えてました。

2012.8/18

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