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動かなくなったマスナヴィンを見て踵を返すライトニングに、スノウは立ちはだかった。


「待ってくれ!」


何を言おうか、何と言えば解ってくれるのだろうか、スノウは悩み、閉口する。


「気持ちはわかるがよ……、この調子じゃ、何時間かかっても掘り出せねえぜ。」


サッズが顎で指すその先にはクリスタルとなったセラ。

それはビルジ湖のクリスタルと完全に同化してしまっていた。


「軍隊もくるだろうし…。今は逃げてようや。な?」


 サッズのやんわりとした大人な対応でも、スノウは声を荒げる。


「嫁さん残して俺だけ生き延びたって   

「使命はどうした。」


サッズに向けていた視線を、スノウは気まずそうにライトニングへ戻した。


   俺たちは世界を守るルシだから使命を果たす。

自分で言って忘れたのか?もう投げ出して、ここで死ぬのか?」


ことを荒げないために言い出した自分が馬鹿みたいではないかとサッズは嘆く。

まさにそのとおりなのでウィッシュはなんともいえない顔をした


「お前は、口先だけなんだ。」


セラを助けたいがためにここに残って守ろうとすることも、セラを守ると言った言葉も、何もかも全部が、ライトニングにとって舌先三寸でしかないのかもしれない。

同じ男のウィッシュからしてみれば、なんとも不器用な男でしかないのに。

いかに一人の女性を守ることが難しいのかを体現している男だとウィッシュは思う。


人一人守ることがこんなにも難しいのだ。


顔を俯かせているスノウに見向きもしないで歩き出したライトニングにスノウは宣言する。


「俺は!!絶対に諦めない…。使命も果たすし、セラも守る。約束する!」

「…守ってみせろ。」


話はそれからだと言わんばかりにライトニングは止めた歩みを再開させる。


「スノウ。」

「ウィッシュ、義姉さん頼むな。」


会うのは、これが最後かもしれないというように微笑み、挨拶をしてくるスノウにウィッシュは苛立ちを隠せなかった。

スノウに3本のポーションを押し付けて、ウィッシュは駆け出した。


「馬鹿野郎が…!」










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