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「ウィッシュ。」

「ライトニング、敵は何か弱点があるはずだ。それを探っていてくれ。」

「俺が敵をひきつける!」

「……解った、スノウは敵をひきつけつつ、ヴァニラは回復を、ライトニングは攻撃を仕掛けてくれ。」


ウィッシュの頭の中でそれぞれの役割を決め、シミュレーションを行う。

まず敵がどんな攻撃方法で、なにが弱点なのかを知る必要がある。

それを知るまではなんとかして持ちこたえなければならない。

時間をかけすぎてはいけない、戦闘音で他の者に気付かれてしまう可能性が大きくなってしまうから。

迅速に、確実に弱点だけを狙う必要があった。


「おらぁ!おれが相手だ、かかってきな!」


スノウのひきつけにマナスヴィンが反応する。

その隙を突いてライトニングが攻撃を仕掛ける。

ウィッシュは先ほどから燻る力をマナスヴィンに向けて発した。


ここまでに何度か戦闘があったが、ルシの力を手に入れたウィッシュたちはそれぞれに特化した攻撃方法を持っていることを知った。

例えばスノウだったら敵からその身を挺して攻撃を受け見方を守るスタイル(ウィッシュたちはこれをディフェンダーと呼ぶことにした。)だったり、ライトニングのように攻撃に回るスタイル、そしてヴァニラは味方を回復できる魔法を放つ魔法型タイプだったりとそれは個人の差が出たようだ。

そしてウィッシュは通常攻撃(アタッカー)味方の強化(エンハランサー)や敵の弱体(ジャマー)ができる、相反特性を持つタイプだということがわかった。

唯一出来ないのがディフェンダーとブラスター(魔法攻撃)回復(ヒーラー)だ。どうやら体力のなさが仇となったらしい。

今、ウィッシュがしなくてはいけないことは相手の弱点を探ること。

ライトニングを見ていると、どうやらウィッシュが物理防御を下げる魔法をうっても物理攻撃はあの堅甲なよろいが邪魔なようだ。

それならば、とウィッシュは手に意識を集中させて目の前のマナスヴィンを睨み付ける。


「ライトニング、ヴァニラ、適当に魔法を撃ってみてくれ。俺がサポートに回る。」

「おっけー!」

「了解した。」


魔法攻撃がより通るようにウィッシュは敵を弱体化させていく。

その際にも細心の注意を払って相手の行動を注視する。


サンダー、ファイア、ブリザド、ウォータ、エアロ


攻撃魔法が重なり合って撃たれていく中で、ある二つの属性が異様にダメージを与えているのにウィッシュは気がついた。


「ライトニングはサンダーを、ヴァニラはウォータで攻めていてくれ!それが奴の弱点だ!」


ウィッシュのジャマーによって、マナスヴィンの魔法防御力は大分低下している。

一気にたたみかけようと魔力を高めていると、マスナヴィンの先が二つに割れていくのをいち早くスノウが確認した。


「ウィッシュ!様子がおかしいぞ!」

「!?スノウ、2人の前に立って攻撃を凌いでくれ!」


2人の前でガードをし始めたスノウに急いでウィッシュは強化魔法であるプロテスとシェルをかける。

間一髪のところで魔法が発動し、主砲を派手に放つマナスヴィンの攻撃をスノウは耐えてくれた。


「ありがとう、スノウ。」

「っへ、こっちこそサンキューな。」

膝をついて呼吸を整えるスノウにすかさずポーションを被せて、最高にまで高められたヴァニラとライトニングのダブル魔法攻撃によってマナスヴィンは動かなくなった。














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