キミに極限愛を捧ぐ | ナノ



2012アジマリ記念日コラボD



 昨夜の雨が嘘のように、翌日は晴れ渡っていた。
あいつは、昨日のことを弁明したそうにしていたが、結局うまく言えず、
曖昧な笑顔で「じゃあまたネ」と帰っていった。

またね、か。
その言葉に少なからずほっとしている自分がいる。
安堵?どうして。
不意に昨夜の謝罪がよみがえった。


『ごめん』


ああ。そうだ。
あの瞬間、ちょっとだけ怖かった。
それまで自分がされかけていたことに対してよりも、そのまま君が消えちゃわないか、
怖かった。

鏡の前にひとり、立ち。昨夜の痕をそこに写した。
くっきりと刻まれた、たったひとつの痕。
君がくれる薔薇のよう。
唇の感触が蘇る。
思ったよりもやわらかくって、湯上りの肌にはひんやりと感じた。
ねえアジアン。
僕さ、嫌じゃなかったんだよ。



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