あとがき
 皆さま、高杉長編『陽が昇る町で待ってる』お楽しみいただけましたか。
 前作『夜明け前に逢いましょう』で辿り着いた不幸のその先を、原作の過去篇に絡めて全三十三話に渡りお送りいたしました。
 原作の台詞や展開を改変する等の、個人的にはたいへん読者を選ぶ二次創作小説となってしまったと思っています。しかし私が思った以上にたくさんの方にご覧いただき、また拍手や感想もいただきまして、驚くと同時に本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
 年齢設定ゆえに相変わらず高杉夢としての恋愛要素は控えめですが、今回からは松陽先生や銀時も加わり銀魂夢小説という雰囲気は前作に比べけっこう出ていたのではないでしょうか。
 高杉夢小説ではありますが、創作中は気が付けばいかに松陽先生と銀時をカッコよく書くかに夢中になっている自分がおりました。本作で作者自身が気に入っているシーンを挙げるとするならば、第十七話の銀時視点で語られる川ポチャ事件前後とラストの松陽先生が高杉父をボコボコにして三者面談を開始するあたりかなと思っております。傍から見ても高杉晋助が惚れこむような二人がちゃんと書けていればいいのですが……。
 皆さまはどこか印象に残っているシーンなどはございますか? もしございましたらぜひ教えてください。泣いて喜びます。
 さて、高杉もヒロインも自身や家族の問題にそれぞれ相応の蹴りをつけ、各々が朝焼けに向かって歩き出すところで今作は幕引きです。次回はいよいよ私が一番書きたかった松下村塾ラブコメ篇に突入します。大真面目です、大真面目にラブコメ篇です。高杉晋助にラブコメをさせたいんです私は。
 きっと原作でも、高杉晋助という一人の人間が、侍が、一番幸福で満たされていた数年間だと思います。原作の雰囲気を壊しすぎないように、けれど個人的趣味に正直な思春期高杉晋助を書いていきたいと思っておりますので、もしそんな彼やヒロインとの恋の行方にご興味がございましたら、どうぞまた次回も見守っていただけたら幸いです。

 最後になりましたが、ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。これからもどうぞ千両と当シリーズをよろしくお願いいたします。
 それでは次回作『僕らが愛した白昼夢』でお会いしましょう。

2019年12月20日 チャコ


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