九十九遊馬の眠れない夜
※遊馬が健全な男子中学生兼オ●ニスト。下ネタ注意です
ブログのアレが派生してこんなことに
ハートランドシティに夜の帳が降りる。住宅からは電気が消え、人々は眠りにつく時間だ。
九十九家にも同じように夜が訪れた。
今日は、アストラルは皇の鍵の中で何か考え事をしている。遊馬とって、一人の夜は絶好の機会だった。
遊馬は少し緊張しながら久しぶりに自分の息子と対面した。
「最近ご無沙汰だったからなぁ」
ここからは、漢の時間だ。
遊馬は自分の息子を握り、ゆっくりと擦る。びりびりとした感覚が腰に走る。
ねーちゃんやばーちゃんに内緒で、この味を占めたのはいつ頃だっただろうか。
「んっ……ふぅ……」
そして、この行為をしなくなったのはいつ頃だっただろうか。
…アストラルがいることを忘れてやりはじめようとした瞬間、彼に質問を投げかけられた記憶はナンバーズにしてどこかへ消し飛ばしたい程に思い出したくない記憶だ。
いくらこの行為の意味を知らないアストラルとはいえ、純粋無垢で興味津々な相棒に見られながらするのはさすがに気まずい。最初はアストラルに言い訳して彼に隠れてコソコソとしていた遊馬も、いつしかご無沙汰になってしまった。
久しぶりにするのは気持ちがよかった。オカズなども特になく、無心で息子を擦る。
その先を知らない彼にとってはこれが一番気持ちいい行為だった。
しかし、ただ擦るだけでは飽きる。何かほかに気持ちいいやり方はないだろうか。
遊馬特有の好奇心が興奮と共に頭をもたげてゆく。
その時だった。
「おう、随分とお楽しみじゃねぇかぁ、遊馬よぉ」
声のするはずのない深夜に、九十九家に、何者かの声が聞こえた。
「何だあ!?」
あまりの驚きように、遊馬は右手に息子を握ったまま、声の方を見た。
すると、窓から月を背にした六つの影が目に入った。
「な、何なんだ、お前ら!」
遊馬は下半身に何もつけないまま、息子を両手で隠して声を上げる。
間抜けな恰好ではあったが、知らない人に見られた、その羞恥心だけが頭を占め、遊馬は混乱していた。
「安心しろ。私たちはお前に害を与えるものではない。むしろ、お前を助けに来たのだ」
「助けに…?どういうことだよ!」
「ええ、そうよ。あなたの中に眠る欲望―――カオスをね」
「カオス…?」
「遊馬、お前普通のオナニーじゃつまんねぇって思っただろ」
「!」
「俺たちはお前のそのカオスを感じ取って来たんだ。遠慮はいらねぇ。行くぞ、皆!」
影はそれぞれ飛び立ち、遊馬の元へと降り立った。皆異様な姿をし、体表の色も違う…人間でないことだけは明らかだった。
最初に、赤い体表の男が、まるで今から猛獣か何かと闘うようなポーズを構えながら遊馬に近づいた。
遊馬は未知への恐怖の中に、ほんの少し期待を込めてゴクリと喉を鳴らした。
←戻る →進む