下っ端レ○プ!野獣と化した変態



「ん……」

 大クラッシュを起こし、死んだはずのプラシドは眼を覚ました。
 見覚えのない、暗い天井。起き上がろうとしても、身体が言うことをきかない。何故こんなところで寝ているのか……思いを巡らせ、一つの記憶に辿り着く。
 そうだ、不動遊星……。忌々しい蟹頭め、とプラシドは歯を食い縛る。奴が邪魔をしたせいで計画は崩れた。かけた労力も費用もパーだ。
 プラシドは想定外の出来事と自分の思い通りにいかない事象がとてつもなく嫌いであった。切れやすい若者とはまさに彼のこと。現状、見知らぬ場所で身体の自由がきかずに横たわっているこの状況事態が好ましくない。プラシドは、何とかならないかと麻痺した思考回路を働かせる。

 突如、二つの足音が近づいてくるのが聞こえた。はっとプラシドはそちらに意識を向ける。驚くことにそれは不動遊星と、以前研究所でひと悶着を起こした青髪の男だった。
 プラシドはあの後この二人の住みかへと連れてこられたのだと悟り、きっと敵意を剥き出しにして睨む。しかし驚くことに、二人からは敵意を向けられなかった。それどころか、心なしか嬉しそうな表情をしているように見える。

「お前のことは色々と調べさせてもらった。プラシド、というそうだな。一言で言うと『限りなく人間に近いアンドロイド』といったところか」

「身体は間違いなく機械なのに、作りや感覚、思考は本当に人間なんだね。すごい、こんな技術があるなんて」

「っひ……」

 突如、ブルーノに表面を撫でられ、プラシドは身を捩った。しかし微かに動いただけで魔の手からは逃げられない。何だこれ、キモチワルイ。初めての感覚にただ戸惑う。

「気になってたんだよね、僕達がDーホイールを触ってる時、彼らは何を感じているのか。やっぱ触られると気持ちいいの?」

 次々とプラシドに降りてくる手。体温はなく冷たい身体だが、遊星とブルーノが触ると、ビクンビクンと揺れた。

「ああ、このつるつるした肌と……冷たさが気持ちいいな。プラシド……見事だった、お前の合体姿。初めて見る光景に思わず昂った……。今思い返してもっ……はぁ……」

 プラシドの目に、忌々しい不動遊星の顔が映る。心底興奮している顔に、ただ悔しさを噛み締める。イリアステルの力を見せ付け恐怖させるために本気を出したのに、得られた結果はこの変態共を興奮させただけだった。
 プラシドは何も抵抗できないまま、遊星に口づけられた。突然の出来事に回路はショートし、何も考えられなくなる。唾液を塗りたくられるように舌を絡められる。ぬるぬるとした感触にプラシドの背中はぞわりと粟立つ。
 口づけされてる間に、ブルーノがプラシドの身体を舐め始めた。思考を蝕む気持ち悪さと身体が拾う気持ちよさがない交ぜになってプラシドを襲う。ぎゅっと、逃れるように眼を閉じた。

「おいしい、プラシドの身体。機械特有の滑らかさに、少しばかりのオイルの香り……僕、病みつきになりそう」

「俺も舐めたい……こいつを俺の中に導いたらどうなるんだろう……きっと、今まで使ったどんな道具よりも気持ちいいだろう」

 プラシドの頭上で恐ろしい会話が繰り広げられる。逃げたい、と思ったのもつかの間、プラシドの口に強引に何かが押し込まれた。

「ふぐぅ!!!」

 酸素が取り込めなくなった。苦しい。
 えづくプラシドの頬を撫でながらブルーノは容赦なく腰を前後に動かし、彼の口に捩じ込んだ男根で口内を喉まで突き犯す。

「ああ、たまんない表情してるねプラシド。ねぇ、苦しい?息できなくて苦しい?」

「ふぐっ……!ん、んんぅ!ぐ……」

「辛そう……でも、機械だから死ぬことないよね、また直せばいいんだし」

「んん!んっ―――!!」

 プラシドは苦しさに紛れてやってきたまた別の感覚に身もだえた。遊星が人間の男性器を模したプラシドの男根を取りだし、頬擦りしてから舐め出したのだ。

「プラシド……プラシドっ……これはオイルの味なのか?とても不思議な味だ。おいしい……冷たくて硬くてぬるぬるして……もう、プラシドのを舐めているだけで勃ってしまった」

「ぐふっ…ん、ぐっ……っは、ハァッ……」

 やっと口が解放されたプラシドは眼を剥き、虚ろに景色を映している。もう感覚は思考を司る頭まで届いておらず、意識とは無関係に身体がビクビクと痙攣した。眼や口、そして遊星に愛撫された男根から体内を巡るオイルが垂れ流されていた。

「もう我慢できない……プラシドの入れたい」

「僕もだよ。……あった、やっぱり人間に忠実なだけあって後ろの穴もバッチリあるね。中はどうなってるんだろう」

「ぅ……ぐ、きさ……貴様、ら……覚えてろ、よ……!げほ、ゲホっ……ぅえ……」

 いいように扱われ、虫酸が走る。頭が言うことをきかない。気持ち悪いはずなのに、触られるとビリビリとそこが痺れて力が抜けてしまう。こんな奴らなんかに……畜生、畜生……!
 呪いを込め潤んだ瞳を彼らに向けても、プラシドの身体に夢中になっている彼らには無意味なものだった。

「入れるよプラシド……」

 ブルーノは猛った自らの男根をプラシドの穴を開きながら入れ込んだ。下腹部の圧迫感にまた彼はえづく。

「ひっ!…がッ……あああ゛…ぐぅっ……!」

「ああ、わかる?僕が、僕のが入っていく……!これはコードが腸壁みたいになってるのかな?冷たくて熱も精も吸いとられそう。気持ちいいよプラシド!」

「プラシド……俺も……俺の中に……」

 遊星がプラシドの男根に焦点を当て股がり、自らの腰を下ろした。ごつごつと硬い男根が遊星の開発された内壁を穿つ。
 遊星はいいところに当たるよう腰を振り、きゅうきゅうとプラシドの男根を締め付ける。

「あッ…あぁっ!すごッ……プラシドの、気持ちいい……!イイ!プラシド……プラ、シドッ……!」

「あぁッ!やっ……やあああっ!あぅ゛……も、ゆるし、許してッ……!」

 二人は各々の目的のためにそれぞれ自由に腰を動かした。前からも後ろからも刺激を与えられ、プラシドはただただもがき喘ぐ。気持ち悪さと嫌悪感の中に確かな快感を感じ取っていた。
 絶頂が近づいてきた二人は更に動きを激しくする。頭がついていけず、彼の身体が勝手に揺れた。

「あぁッ!いきそ……!中に出すよ、プラシド……!」

「はあぁん!俺もっ!あぁ……あぁあ!出る、出るッ!あぁっ!」

「がッ……あ、あ、あぁ、っ……あ……!あああっ!」

 やがて二人は果て、ブルーノはプラシドの中に、遊星はプラシドの腹の上に白い液体を吐き出した。プラシドもビクビクと震えて同じものを出す。
 オイルが駄々漏れ、液体で汚されてプラシドは回路がおかしくなってしまったらしい。意識を飛ばしたように眼を閉じ、動かなくなった。


 ZーONEの元で復活を遂げたプラシドは、如何わしい記憶を消され、新しい記憶を与えられた。あの出来事はもうプラシドの中には存在しない。
 しかしふとした時に、どうしようもない憎しみが込み上げてくるのだ。対象はあの不動遊星。そして青髪の男……。散々邪魔をされたことは微かにだが覚えている。そしてそのはっきりしない記憶が、プラシドを余計に苛立たせていた。
 それと共に身体の奥に感じる疼き。その正体はプラシドにはわからなかった。しかし、それもまた彼の中で憎しみを助長させていることは確かだった。
 そうだ、こんなに苛立つのは以前不動遊星に負けたせい。負けたからこんな屈辱に震えているのだ。あいつさえ……あいつさえ倒せば……!

 ただ湧き上がる憎しみを胸に、プラシドはチーム5D'sとの決戦……不動遊星との再戦に臨むのだった。

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