06


前回のあらすじ。やっと島についたぞー。降りたぞー。隈とクマに会ったぞー。捕まったぞー。私ってそんな不幸体質だったかしら。海軍より賞金稼ぎより海賊に狙われるってどうなんだろ。ド派手な潜水艦に乗せられ食堂にいれられる。そこには白いつなぎと帽子の集団。なんなの。海賊って皆の服が変なのかな。奇抜だったり統一していたり。しかもクマはオレンジで船長は1人私服だし。そこ統一しないんだ。

『で、なにかご用ですか?』

「拉致されたわりには余裕じゃねぇか。うちのクルーに囲まれてるのになァ。」

『まぁ、やろうと思えば貴方以外は余裕で殺せるし。伊達に一人で旅してないんで。大人しくついてきただけよ。面倒だしね暴れると。』

「くくっ、そうか。」

「船長俺たちすげえなめられてるんすけど。」

「相手はルーキーだしいいじゃねえか。」

『そうよ。悔しかったらあんたも億越えしてみなさいよ。そもそもついてきてやってんだから偉そうにしないでよ。』

「いや、お前もよく海賊船にきてそんだけ態度でかくいれるよな。まじで。」

だから余裕で逃げれるし。別に白いつなぎなんて怖くない。クマさんが飲み物とお菓子を持ってきてくれたのでありがとう、と笑顔でお礼を言うと照れた。可愛い!!でれでれすんなよ、と帽子の人に言われればすみませんと落ち込んだ。なんだこれ。かわいいなぁ。というか苛めんなよそこの帽子。

「で、なんでユースタス屋の船にいんだ?」

『それが話せば長いからはしょるとね、私が気に入ったらしく麻酔銃で捕まえてで、監禁されて仲直りしてなんか今居候みたいな?』

「居候…海賊にか。」

『うん。』

「お前態度といいまじで色々すげえな。」

『でしょ、讃えてくれていいよキャスケット帽君。それとペンギン帽の人小さく笑ってるのばれてるしバンダナの人は大爆笑しすぎだから。』

「名前。お前は海賊にはならないと思ってた。自由な奴だし、ましてやあんなユースタス屋にはな。」

『同感だ。なんなのあいつ。頭悪そうな鶏ヘアーに悪そうな顔に悪趣味な服。まぁ、つまり馬鹿ね。馬鹿でかい身長で馬鹿だらけであの態度!何様なのかね。』

「…へぇ。」

『喧嘩っぱやいし話は合わない。私は力より駆け引きみたいな理論派だしあそこのクルーは奇抜な格好だし。』

「じゃあ乗るか?」

『は?』

「俺の船に。」

『いや、いいや。海賊になるならキッドの所で。私キラーさんが気に入った。』

「キラー?殺戮武人が?お前趣味わりぃ。」

キャスケット帽の人がべー、と舌をだした。貴方の船長だって隈酷いし通り名は死の外科医同じようなもんじゃん、と言ったら船長さんが笑った。周りはぴしりと固まったけど。彼はあまり気にしてないみたい、というより楽しそうだ。

「一緒にすんな、くくっ。」

『怒ってんの?喜んでんの?なんでそこで笑うの?この人意味わからない。医者だよね?大丈夫主に頭。』

「一緒にされたらかなわない。なぁ、殺戮屋。」

「違いない。うちのクルーを返してもらおうか。俺も名前を気に入ってるんだ。」

『いるなら出てきてくださいよ。私気配読むの苦手なんですから。』

「そんな事よりお前は浚われるなんて。もっと危機感とか抜け出そうとかしろ。わかったか。」

『逃げれるしいいかねって。それに浚われるって自分だって浚ったじゃ、はい。わかりました。すみません。』

「船着き場にいろと言ったにのにいないし、見張りがトラファルガーに連れて行かれる姿を小さく確認したというから来てみれば。なにお菓子を食べて寛いでいるんだ。」

『だって可愛いクマがくれたんですよ。可愛いんです。』

「お菓子ならうちにもあるだろう。」

キラーさん、それ以上喋るとまじでお母さんだから。後ろ若干笑ってるから。キラーさんが私の腕を引っ張り地下に寄せた。力が強い。心配してくれたのかな。帰るぞ、みたいな雰囲気なんでさっさとお菓子と飲み物を片づける。残すのはよくないよね。

「トラファルガー。名前は返してもらう。」

「ま、いいだろう。話せただけで満足だしな。」

『お話しくらいいつでもするのに。でんでん虫つかってはなす?船の上って暇で。キラーさんにずっとかまってもらうのも無理なんで。』

「名前。敵だぞ?」

『私の敵ではないです。』

「くくっ。ほら、でんでん虫だ。暇なら電話しな、お前なら大歓迎だ名前。」

『どうも。…なんでキラーさんが怒るんですか?』

「…別に怒ってない。」

「殺戮屋も可愛い所があるんだな。いいものが見れたがのろけるな。」

のろけるって私たちは別にそんな関係じゃないしキラーさんが嫉妬するわけないじゃないか。みたいな事を言ったらペンギン帽の人が苦笑いした。皆呆れ顔で見てるしローさんなんかまた笑っている。この人の笑いのツボおかしいんじゃないの?

「大変そうだな、同情する。」

「…余計なお世話だ。名前、帰るぞ。」

『え、あ、はい。じゃあお邪魔しました。』

「いやいや、いい暇つぶしになった。」

『キラーさん待って!クマ触りたいです。もふもふしてからでいいですか。寧ろ抱きついていいですか。』

「なんでそんな楽しそうなんだ。」

『だってキッドの所はこういうのいないじゃないですか。船内だってどっちかっていうと黒基調っていうかロック!みたいな。女の子はこういうのが好きなんです。』

「…そいつオスか?」

「ああ、そうだが。クマにまで嫉妬すんなよ。」

「嫉妬じゃない。一応敵だからだ。」

大爆笑するローさんとそれを珍しいと眺めるクルー。私の肩を叩いてもっと考えてやれ、と真面目な顔で言うペンギン帽。なんなんだこの海賊団。俺メスのクマしか興味ない、と言った事で許可が下りた。お母さんそんな警戒しなくても野生の熊じゃないんだから。クマさんを撫でてからキラーさんの大きな手が私の手を握った。さっきまで夕方だったのがもう夜になていた。スタスタと船に向かって歩いていくがいきなり立ち止まった。

「…なにか買っていくか?それとも名前はトラファルガーの船に乗るのか?」

『…キラーさん。私海賊になるならキッドの所がいいです。居心地いいしキラーさんは私を迎えに来てくれるし。それにどうせさらって行くんでしょ?』

「どうせって。でもまぁ、当たり前だ。名前はもう仲間だ。なんといおうが奪うさ。」

『麻酔銃は勘弁でーす。そうですね、仲間になってもいいかな。それでキラーさんの機嫌は直りますか?』

「そんなに俺は機嫌が悪そうか?」

『まぁ、あんだけ不機嫌そうにしてれば。最近仮面しててもなんとなくわかるようになったし。ハートの海賊団がわかるんですからかわります。海賊って自分の所持してるものを取られるの嫌うじゃないですか。』

「男は皆そうだ。自分たちの物と主張したいんだろうな。名前はうちの海賊団だと。独占欲だ。」

『なのに女が独占欲をだすとうとおしがって浮気しるんですよ。矛盾だ矛盾。』

「くくっ、そうだな。」

2人してなんの話をしてるんだかと、笑ってしまう。よかった。キラーさんの機嫌が直ったみたいだ。しかし案外子供っぽいのか。夜だからもうやってる店は飲み屋とかの食事場所が多いけどそれでも露店などをチラチラと見ながら話す。気配を読むのは苦手だけどなんとなくオーラが丸くなった気がする。

「名前が仲間になるなら機嫌は直った。あんな船長にクルーだが仲良くしてやってくれ。」

『そうですね。キッドとは仲良くできるかわかりませんが。』

「そうだな。今日は宴だな。酒を買いに行こう。あと欲しいものは買ってしまえ。金はキッドがもつ。」

『破綻させてやろうか。』

「航海できなくなるのは勘弁だぞ。」

『はーい。せっかくの島なんだから店で飲んだらどうですか?』

「明日からはそうなるんだしせっかくの仲間の歓迎だからな。船でいいだろう。キッドがまた酔い潰れたら困るしな。店がいいか?」

『いえ、船の方が気が楽ですから。明日から外で外食なら船にしましょう。楽しみです。』

優しく頭を撫でられた。なんかこんな毎日が続くと思うと楽しくなった。その後宴の食材を色々買って血で浮かべて大量に運べるので多くなった。うまい具合にバランスを保つために積んでいるとどこかに行っていたキラーさんが帰ってきた。食材を買いに行ったかと思えばプレゼントだ、と白いテディベアをくれた。さっきの根に持っていたのだろうか。これを買いに行った所を想像して笑ってしまった。見に行きたかった。お礼を言ってベアを抱きしめた。

独占欲と優しさ。
(不器用な彼が可愛い)




  
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