※山茶花様リク
過去ブラッド長編
私はここにきて大分たつのでここでのルールは大体把握している。時間が曖昧なのも、おかしなことが起こるのも不思議の国だから。そう、大抵はこの理由で許される。不思議の国だから何でもありですよね、的な。そうだから許されるのだ。敵の領地にいって子供を盾にして、お年玉をせびっても。
『というわけで早く寄こしな。』
「来て早々なんだよ!?子供の前でよくそんな恐喝みたいなマネできるな!」
『何言ってるのゴーランド。子供の前だからこそ、お年玉をくれなくちゃ。』
「その文化はあんたの世界の常識だろ名前。それによ、子供にやるってのはわかった。だけどなんであんたももらおうとすんだよ。人妻だろ!?」
『人妻って…、なんかエロくね。』
「だから子供の前でそういうこと言うのやめろよな!ろくな子に育たねぇぞ!」
『ちょっとゴーランド。寧ろブラッドと私の子供だよ。しかもあの帽子屋屋敷で育ててるんだよ。まともに育つわけないじゃん、夢みんなよ。』
「いや、そういわれるとそうだけどよ…。自分で言うのかよあんた。」
いいから寄こせ、と子供と一緒に手をだす。じゃなきゃメリーおじさんと言う名だとこの子に吹き込むぞ、と脅せばすぐにでてきた。最初からそうしてればいいものを。もらえるものは貰ったのでもう用はない。さっさと次へ行こうとすれば娘が走り出す。
「にゃんにゃん。」
「お、名前。ちびも大きくなったなー。」
『あら、将来の婿よ。』
「まじで息子にする気。いやだよ、俺。」
『うちの娘じゃ不満だってか、ああ?』
「随分マフィア色に染まってきたね…。そうじゃなくってブラッドさんが義理の父親だぜ。無理無理、そこそこ仲良くやってるけど身内にはしたくないね。」
『確かに。あの人面倒だもんね。』
「おい嫁。あんたの旦那だぞ。」
『てへぺろ。』
ボリスにお年玉をもらうのはなんだか申し訳ないのでそのままグッバイする。それをゴーランドに見つかり騒がれる。年を考えなよ、年を。娘をそそのかし必殺天使のスマイルでお礼を言わせれば簡単に黙った。これは私がブラッドに無理難題を吹っ掛けるときによく使う手だ。幼子、ましてや自分の愛娘には弱いのだブラッドは。こうして私は最近わがまま放題だ。え、昔からだって?そうだった。過去は振り返らずお城に来た。
「ほう、そのような風習があるのか。よいぞよいぞ、いくら包めばよい?遊園地にも帽子屋にも負けないくらい包んでやろう。」
『ビバルディ様!』
「ビバ、る、さま!」
『この子もビバルディを敬愛してるそうです!』
「そうか、そうか。愛い奴じゃ。そうじゃ、今度洋服をかってやろう。歩くようになって色んな服が着れるし遊びに行けるようになったからな。」
『ペーター、私貴方にはお金を要求しないから。お願いを聞いて頂戴。』
「ええ、わかってますよ。僕の愛を名前とあなたの可愛い娘にあげればいいんですね!あのブラッド=デュプレの血を引いてると思うと嫌ですが…。半分は貴方の血、それに貴方に似て可愛い女の子。僕は愛してみせます。愛してみせますとも。」
『あ、間に合ってます。ウサギの姿になって娘と遊んでほしかっただけだけど、おっとー。エースくんや、私に娘を俵担ぎにしてどこへ浚おうというんじゃワレェ!股間についてる玉ぶっ潰すぞ、ああ!?てめぇが近づくとろくな影響あたえんだろうが!絶対!』
「あはは、酷いなー。それにそんな言葉づかい子供前でよくないんじゃないかな。母親になっても君って相変わらずだぜ。変わらな過ぎて俺としては好きだけどね。」
『あばばば、お淑やかに過ごす習慣だったのにっ。エースのせいだぞ!』
「なにそれ、時間の無駄だぜ。」
『それな。で、拉致ろうとする理由をのべよ。10文字以内でだ!』
「旅に出かけるんだぜ!」
『ピッタリ、収めてきただと!?ペーター回収してきて。』
「任せてください。貴方の言う通りエース君とあの子がいたら悪い影響しか与えません。まぁ、名前もいい影響とはいえませんが…。そこは僕の愛でなんとかします!」
そんな愛はないし私はブラッドを愛している(笑)とりあえず2人がばとってる間に自力で脱出した娘を保護。この子マジ天才か。絶対運動神経いいわ。ビバルディにお礼を言って大金を持ち歩くのは怖いので私名義で送ってもらうことにした。これは新作ゲームの資金に使用。魔王マイクの…、どんなゲームか忘れた。ブラッドに聞こう。
『で、最後に、』
「帰れ。」
『おいおい、ユリウス!一人寂しい引きこもりのために可愛い人妻が遊びに来てあげたんだよ!人妻のパワーで癒してあげようと!昼ドラみたいだね!』
「…お前のどこに人妻要素があるんだ。子供より騒いで…、わかった。子供だけおいて名前、お前は帰れ。」
『私からこの子を奪う気ね!?』
「昼ドラチックにするんじゃない!やかましいからだ!わかった、そのお年玉とやらを渡すからさっさと帰るんだ。」
『いやだわ、ユリウス。私貴方からお年玉をもらう気なんてさらさらないよ。ただ純粋に遊びに来ただけ。』
「なんだと。」
『だって遊園地のオーナーに女王様からもらった後だよ。それにぶっちゃけ金に困ってないし。たかるのが楽しかっただけでね。なのにほら質素な暮らしをしてるユリウスからなんて貰えないでしょ。私って親切で空気の読める女、悪かったって!スパナをおろそう!?』
「どうしてお前はそうっ。はぁ、まぁ元気ならいい。それに名前の言う通り私は別に金持ちじゃないしな。」
『純粋に元気にしてるかなって。この子ユリウスが好きみたいでよく来たがるの。仕事の邪魔しちゃいけないし、なにしろ階段上るのがつらくて…。年だね、だから滅多に来ないけど。今日は出かけたしついでに寄ろうかと。もうすぐ昼寝しちゃう時間だしね。』
「…コーヒーくらいだしてやる。」
『ジュースはないのかい。』
「子供用の飲み物なんか置いてあるわけないだろ。ミルクでいいか。」
『えー、ジュース飲みたかった。』
お前のかよ、とつっこみを頂いて少し談笑してから帰る。帰り道の途中で寝てしまった娘を部屋に寝かせメイドさんに任せる。庭にいけばお茶会が始まっていた。どこへ行っていたのか、と聞かれたので今までの話をする。すると案の定食いついた。
「ボス、お年玉だって!」
「子供にはお年玉をあげなきゃいけないんだって!」
「おい、てめぇら数日前にもそれでブラッドにたかったばかりだろうが!」
「そうだぞ名前。君は数日前にも新年だ、お年玉だ、といって私に門番共とたかっただろう。言ってくれれば好きな物を買ってあげるというのに。」
『たかりたいだけなの。言ってくれるか、くれないのか、おちょくってどんな反応をするか見たいだけで。お金はぶっちゃけキャッチ&リリースよ。』
「名前…、大分性格がひねくれてきたな。」
『マフィアの女ですから。それにここの時間は曖昧でしょ。今日が誕生日といったら誕生日。だったらいつも新年といってもいいじゃない。』
「さすが私の奥さんだな。君がしたことをすればいいさ。ただ許せないのがひとつある。城での君の脳内回想。私を愛している(笑)とはなんだ。どうして笑うんだ。愛しているだろう!」
『ブラッド、心を読めるより凄いことしたよ。回想って、さかのぼって人の心を読むなんて。ナイトメアが可哀想だよ。そういう能力とったらただのひ弱なイケメンじゃん。…イケメンが残るからいいか。残念なイケメンだけど。』
「待て待て。私は残念じゃない!」
「誰も茶会に呼んでないぞ夢魔。」
「このリクエストは全員でる話が読みたい、というものだったはずだ!いつでるのかと待機していたら終わりそうな雰囲気じゃないか。」
『人数多いからハートの国だけにしたの。だからピアスもグレイもジョーカーも出てないでしょ。』
「…私はハートの国にもでている。」
『見栄はんなよ。』
「はってないわ!いただろうが!」
ナイトメアがハートの国の時からいただと。そもそも私ハートの国でなにしてたっけ。ゲーム作ってる時の記憶しかない。ブラッドが横で舞踏会で私との愛の葛藤とか色々言っている。…そんなものあったっけ。全然思い出せない。でもとりあえず今が楽しいのでいいや。