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「静かなとこだねぇ」

汽車を降りてから、何度目かの台詞だった。
見渡せば嫌でも目に入る、緑、緑、緑。
イーストシティやセントラルシティでは絶対に見られない光景だ。

「何回言えば気が済むんだよ。悪かったな、何も無い所で」

「そういう意味じゃないよ。……想像以上にいいところみたいで、嬉しいな」







06.
hometown

故郷の地







丘の上に建つ一軒の家。
その前に、一人の小柄な老婦人が立っていた。
名はピナコ・ロックベル。
彼女がエドワードの馴染みの義肢装具師であり、彼ら兄弟の祖母のような存在だ。

「よう。ピナコばっちゃん、また頼むよ」

エドワードがアームストロングとクライサをピナコに紹介し、彼らはそれぞれ握手を交わす。
クライサとピナコの手が離れた時だった。

「こらー!!エド!!」

大きな怒鳴り声が聞こえたかと思えば、重たいスパナが飛んできた。
その直撃を頭に食らったエドワードは、血を噴き出しながら地面に沈む。
クライサたちは倒れた彼を一瞥すると、怒鳴り声の主へと目を向けた。

「メンテナンスに来る時は、先に電話の一本でも入れるように言ってあるでしょー!!」

二階のベランダでエドワードを見下ろし、更に大声を上げる少女。
長い金髪が動きに合わせて揺れている。

「てめーウィンリィ!殺す気か!!」

起き上がったエドワードの怒声に、彼女は楽しそうに笑った。

「あはは!おかえり!」





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