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中央軍部に情報収集に向かうことにして、ヒューズの家に礼をしに行きたいというウィンリィも同行することになり、何故かリンも仲間に加わった。
当然、リンの部下である黒装束もついてくるわけで。

「娘のほうはランファン、じいのほうがフー。うちに代々仕える一族サ」

ラッシュバレーを離れ、中央へ向かう列車の中。
ボックス席には兄弟とリン、通路を挟んでその向かいの席にはクライサとウィンリィが座っている。
そこに、リンのお付きである二人の姿は無い。

「は!!男のくせしてお付きがいなくちゃ怖くて旅もできねーか」

「そうだねェ。子どもの一人旅だと色々危ないかラ」

引っ掛かったのはその言葉。
『子ども』という単語。

「リンっていくつ?」

「俺?」

人は見かけによらない、という言葉は、多分こういう時に使うものではないと思うが。
彼の返答に、リン以外の全員が固まった。

「15歳だヨ」







12.
about one's trust

信頼について







エドワードと彼の身長差は、もはや同い年とは言い難いほど大きくて。
結局、自分が平均より背が低いということを認めたくなかったエドワードの、リンの悪口に値する発言を聞いたランファンの攻撃によって、年齢に関する話は終わりを迎えた(ランファンとフーは屋根の上に乗っていたらしい。当然無賃乗車だ)。

そして到着したセントラルシティ。
中央軍部に向かい、門の前にいた彼女に会ったのは、エドワードたち兄弟とウィンリィ、そしてクライサだけだった。
リンは駅を出てすぐにはぐれてしまったらしく(どうせまたどこかで行き倒れているんだろう)、ランファンたちも彼を探すため別れてしまった。
まあ、またそのうち会うこともあるだろう。

「あれー?ホークアイ中尉がいる!」

そこにいたのは、東方司令部所属の筈のホークアイだった。

「エドワード君、アルフォンス君……それからリミスク少佐も、元気だった?」

「うん。相変わらずだよ」

歩みつつ返答すると、後ろを歩くウィンリィが声を上げた。
彼女は、ロイがエドワードを国家錬金術師に勧誘しにリゼンブールを訪れた時に、ホークアイと会っていたらしい。
すっかり綺麗になって、リザさんは髪をのばしたんですね、などと笑顔で会話を交わしている。





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