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グリードに再会したのは、リゼンブールに来る前、中央郊外の小屋でのことだ。
彼が人造人間組と縁を切り、その時の動揺に乗じてリンが一時的に身体の主導権を取り返した。
その後、中央近くで隠れられる場所を探して、その小屋にやって来たらしい。

『あの“お父様”とやらが、来るべきその日に扉を開けル!そこにお前たち兄弟で飛び込めば、二人とも元の身体に戻れるんじゃないカ?』

人造人間たちの父が何の目的で扉を開けるのか、来るべきその日とはいつなのか。
疑問を抱えたまま、リンはまたその身の奥に潜み、グリードが表に出てきた。
しかし彼はエドワードたちに敵意を向けること無く、その場を後にしようとした。
それを引き止めるように声をかけたエドワードは、仲間にならないかと提案したのだ。

『ざけんな!この世の物全て俺の物!』

お前が俺の手下になるってーなら、つるんでやってもいいけどな。
そう言ってグリードは小屋を出ていった。

『手下になってやるよ!』

……ら、彼の後を追ったエドワードがそんなことを言い放った。
感情にまかせてチャンスと情報を失うわけにはいかないだろうと。
それに元々、軍の狗になると決めた時点でプライドも何も無いのだ、今更誰かに尻尾を振りたくないなど言いはしない。

『いいだろう!!俺の部下ってことは日陰者だぞ!?後悔すんなよ!?』

上機嫌に笑った彼の言葉に、クライサはハインケルらと共にガックリと肩を落とした。

「はーー…そんなことが…」

ロックベル家の地下。
長い話を聞き終えてから、溜め息混じりにウィンリィは言った。

ちなみにリゼンブールに来たのはグリードの命令で、事に備えてエドワードの機械鎧の手入れや微調整を万全にしておく必要があったからだ。
彼の機械鎧はウィンリィが作ったものだから、ピナコでは微調整出来ない。
漸く彼女が帰ってきたから、これで調整が出来るわけだ。

「しかしグリードの手下かぁ…エドが勝手なこと決めやがったからなぁ…」

「あ?手下が嫌だってんなら、俺の女ってのでもいいぜ?」

「手下でいいです」

「(クライサ…)」
「(即答…)」
「(正直者…)」








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