「あっあっ、ああっ!」
「ココか? ココが良いのか?」
「あっ、んっ! あ、そ、そこっ! い、良い、です……。」
「ココだな。」
「あっ!」


二人の身体は直ぐに馴染み、お互いを心地良く摩擦し合った。
無理矢理に抱いた昨日とは違う、痛みも不快感もない。
しっとりと濡れたアシュリルの内側は、丁度良くアイオリアの動きを助け、抑え切れない喜びを膨らませていく。
細く跳ね上がっていくアシュリルの声に背を押され、アイオリアは徐々にその動きを激しくしていった。


「あっ、嫌っ! そ、そんなに、しな、いで……。あ、ああっ!」
「溶けそうだ、アシュリル。凄く、熱い……。」
「あ、り、リア、様も……。あっ! あっあっ!」


耳に響くアシュリルの嬌声と、繋がり合う身体の音。
キツく締め付ける入口と、しっとりと絡み包み込んでくる内側。
熱い息を吐く艶やかな唇、感じ入った表情、熱に眩んだ瞳。
重なる二つの身体から立ち昇る、むせる程の汗の匂い。


目、耳、鼻、身体。
四つの感覚でアシュリルを感じ取り、その全てを深くまで味わうアイオリアは、最後の一つ、味覚でも彼女を感じ取りたいと、激しい動きはそのままに、夢中で唇にキスを落とした。


「あっ、む、んんっ!」
「ん、アシュリル。」


身体の全てで彼女を感じ、一つになる。
淫らな行為の中でも、その初々しさを失わないアシュリル。
何度となくこのような事を強いても、その都度、初心な少女のように恥らい、アイオリアを酔わせるのだ。
それが余計にアイオリアの心に火を点けて、獰猛な心を更に奮い立たせているとも知らずに。


「はあっ! は、はあっ……。あ、もう、だ、駄目……。駄目ぇ……。」
「俺も、だ……。良過ぎて、おかしくなりそうだ。」
「あっ! そ、そんなに、激しく、しな、いで……。あ、ああっ!」
「そんな事を言って……。凄く締め付けてるぞ、アシュリル。」
「あ、やっ!」


駄目と言いながらも、奥へ奥へと引き込んでくるアシュリルの身体は、喜びから細かに打ち震えている。
アイオリアが力強く打ち込んでくる度に、内側からゾクゾクとせり上がってくる何か。
それは吐き気にも似た凄まじいばかりの歓喜だった。


「一緒にいこう、アシュリル!」
「あ、ああんっ! あっ、あっ!」


理性をかなぐり捨て、欲望に忠実な獣となったアイオリア。
手加減なしに動きを早め、アシュリルの最も深く感じる場所を激しく突き、自らの腰を振った。
ベッドが、今にも壊れそうに窮屈な悲鳴を上げる。
アシュリルの細く華奢な足を、これ以上は開かない程に割り開き、自分の猛った欲を何度も突き入れて。
その汗に湿った魅惑的な身体、そして、抑え切れない嬌声を上げる感じ入った表情を見下ろしながら、アイオリアは最後の疾走へと自らを任せた。


「あ、あああっ! あ、あ、あああああっ!」
「くうっ、アシュリル!」


激しかった動きが弱まり、ゆっくりとゆっくりと行為の余韻を味わいながら動く身体。
ジッと見つめ合った二人は、どちらからともなく唇を寄せ、長いキスを交し合う。
そこには隔てられた心の隙間など、何処にもないようにさえ思えた。


二人が共に歓喜の極みを迎えた頃、窓の向こうでは、燃え尽くさんばかりの夕陽が山の向こうへ沈み、深い闇が聖域を包み始めていた。
アイオリアとアシュリル、二人の長い夜の帳が、ゆっくりと下りていった。



→第11話へ続く


- 4/4 -
prev | next

目次頁へ戻る

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -