――ギシッ、ギシッ……!


身体が痺れる。
震える腕でアイオリアの大きな背中に腕を回して。
でも、掴まり切れなかった腕は、何かを求めるように、ただ空を切った。


「アリナー、アリナー……。」
「ん、あっ……。り、リアぁ……、あっ。」


熱に浮かされ、アイオリアが私の名前を囁く。
小さな囁きにも係わらず、ベッドの軋みにも私の嬌声にも掻き消されずに、こんなにもクリアに私の耳に届くのは、どうしてだろう?
相変わらずの激しさで、私を翻弄し、翻弄し、また翻弄し。
眩む意識の中、彼の金茶色の髪を包み込むように掻き抱く。


そして、ついに私の小さなべッドが、ギギギッ! と、今までにない大きな軋みを上げた。
その音に、思わず意識がそちらへと向かえば、それに気付いたアイオリアが身体を少し浮かせて、私の顔を覗き込む。


「や、あっ……。駄目っ、壊れ……、ちゃう……、あ! も……、ああっ!」
「そんなに気になるんだったら、いっその事、壊してしまうぞ。」


鋭く強烈な光を宿した緑の瞳が、至近距離から私を貫く。
その迫力と獰猛さに、ハッと私が息を飲むと同時に、アイオリアの動きが力強く大きく、そして激しくなった。


――ギギッ、ギシッ!


私の全てが麻痺していく。
強烈で刺激的で、それでいて濃厚で芳醇で。
彼に抱かれて、夜に溺れて。
嵐みたいに、私の全てを揉みくちゃになるまで踏み荒らして。
アイオリアが掛けるラストスパートに、私はもう、ただ流されて、その情熱に耽るだけだった。
そして、閃光のような煌きが走った、その刹那。


「……アリナーっ!」


アイオリアが私の名を呼んだ声が、既にベッドの軋みも自分の乱れた声も聞こえなくなっていた私の耳に、真っ直ぐに飛び込み満たしていった。



快楽という名の愛の形に、これ以上ない幸せを感じる瞬間



「アイオリアのバカ。ベッドより先に、私の身体が壊れちゃう。」
「すまん、アリナー。つい抑えが効かなくなってな。」
「こんなんで、一緒に暮らしていけるのかな……。」
「それは大丈夫だ。」


アイオリアの根拠のない自信満々さに、私が小さく溜息を吐いた時、再びベッドも小さく鳴いた。
ベッド崩壊の時まで、あと僅か……。



‐end‐





ニャー君とピロートーク的な話を書くつもりが、何故か本番になってしまいました(滝汗)
でも、微裏と言い張ります。
それにしても、流石に(エ)ロス兄さんの弟ですね。
見事に本領発揮ですよ。
エロさが尋常じゃなi……、ぐふっ!
何だか妙にサイト内にエロが蔓延していて申し訳ない;

2008.06.28



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