「絶対、断られると思ったから、流石に俺も驚いた。」
「だって、嫌だって言ったところで、止めてくれないじゃない。」
「まぁ、そうだが……。」


私は手を伸ばして、見下ろすアイオリアの柔らかな金の癖毛に触れた。
こめかみから指を通して優しく掻き上げれば、気持ち良さそうに目を細める彼が愛しい。


「どちらにしてもする事になるんだったら、抵抗して無理矢理なのはキツいもの。ね?」
「何て言うか、不思議だな。アリナーは時々、俺の想像の範疇を越える。」
「ふふっ。やる気、失せた?」
「まさか。」


私の一言で、背中で止まっていた手が、再びせわしなく動き出す。
両手が腰まで下がってきたところで、その手で腰を支えてアイオリアが起き上がり、そのまま私を押し倒して反対方向へと倒れ込んだ。
ドサッと音を立てて、アイオリアが私をソファーの上に組み敷く。
先程までとは逆向き、今度は私が下で、彼が上。


「ちょ、ちょっと、アイオリア! まさか、ココで?!」
「悪いが我慢の限界だ。」
「せめてベッドまでは我慢して。昼間なんだから、誰か訪ねて来たら、シャレにならないわよ?」
「……。」


情熱的に燃えた緑の瞳で、私をジッと見下ろして。
ホンの僅かの時間だけ動きを止めて、考え込んでいるのかと思ったら、また直ぐに手を滑らす。
走り出したら止まらない、それがアイオリアだもの。
こうなったら、私が何を言おうが止めないだろう。


そう思って覚悟を決め、溜息を一つ吐いた、その時。
背中に回されたアイオリアの手によって、いきなり上体を起こされて。
何事かと驚いている内に、下着以外の服を剥ぎ取られる。
突然、身体を襲ったヒヤリとした空気に、無意識に腕を回して肌を隠すと、そんな私を有無を言わさずアイオリアが抱き上げた。


「ひゃっ!」
「これなら文句はないだろう、アリナー?」


寝室へと運ばれた私は、やや乱暴にベッドに投げ出された。
息を付く間もなく覆い被さってきたアイオリアによって、快楽の海へと流される。
濃厚な愛撫と、それに続く力強い情熱に、押し寄せてくるのは終わりなき歓喜の渦ばかりだ。



午後の光を背負った貴方の身体は、とてもとても熱くて



激しくも巧妙な愛情表現は、爪の先まで震えるほどに気持ち良く。
私はただ切なく高い声を上げて、湧き上がる想いを伝えるしかなかった。



‐end‐





遂に『昼のERO』ニャー君も攻略ですw
朝昼晩のEROコンプ、おめでとう、アイオリア!
夜と朝のように、もっと激しめな話にしようかとも思いましたが、流石に三話も続いたらクドかろうと、辛うじて思い止まりました。
このところ、めっきりアイオリアに浸食されてます。

2008.11.03



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