仄暗い岩陰のヒヤリとした草の上。
俺の眼前で揺れるキミの白い背中が艶かしくて。
何度も唇と指を這わせて、愛しい想いを熱に籠めて伝える。
声には決して出さないが、その度にビクンと反応をみせる身体と、荒くなっていく息遣いが、キミの答えだ。
俺の想いを受け止めて、感じてくれているという事。
声を殺して一つに重なり合う身体は、誰に見つかるかも知れない、このスリリングな状況で、異常なまでに燃え上がっていた。


「これが俺だ。ちゃんと覚えるんだ、アナベル。分かるか? これが俺だからな。」
「はっ……、ん……、くっ!」


必死で堪えていても、時折、唇の端から漏れる声。
冷たい草の上、ぶつかり合う二つの身体の熱は上がり続ける一方で。
揺れるキミの背中から立ち昇る女性特有の甘い匂いと、地面から漂う草むらの青々とした匂いが混じり合い、俺の鼻孔を擽る。
それは、なんと官能的な匂いだろうか。
俺の中の欲望を更に助長し、このある種、退廃的な愛の交わし方に、より深く溺れさせる力を持っていた。


「くっ、アナベル!」
「んっ、あぁっ、――――っ!」 


そして、俺は残っていた最後の枷をかなぐり捨て、限界が近付きつつあるキミと共に、ラストまで一気に駆け上がる。
それは、今まで交わした愛の中で最も激しく、且つ、最も最高の瞬間を迎えた素晴らしい一瞬だった。



飲み込まれた歓喜に溺れ、キミへの愛の深さを知る



愛を交し合った後の気だるい身体を寄せ合って、キミは恨めしげな目で俺を見上げる。
抱き寄せるキミの肩は熱く、背中に触れる冷たい草の感触が心地良い。


「酷い、アイオロス……。も、やだ。こんなの……。」
「そうか? でも、良かったろ?」
「っ?! ば、バカっ! アイオロスなんて大っ嫌い!」
「ホントに? ホントに嫌い、俺の事? 俺はアナベルの事、大好きだけど。」
「う……。」


ポツリと呟かれたキミの声は、良く聞き取れなかった。
だけど、愛しい唇の動きは「大好き。」と言ってくれてるように見えたから。
苛立ちなんて綺麗サッパリ消え去って。
暗い岩陰の草の上、キミを腕に抱いて寄り添った俺は、心も身体も十分過ぎる程の満足を覚えていた。



‐end‐





え〜と、こちらは77777打ニアピン・凪さんリクのロス夢なんですが……。
こげなものを捧げちゃって良いのでしょうかね?
自分と弟を間違われてシュンと凹む兄さんを書こうとしていたのに、完成したら、嫉妬に狂った鬼畜兄さんが出来上がっておりました(滝汗)
最近、私の中のロス兄さん像が、間違った方向に走り出している気がしてなりません;
夜這いに引き続き、今度は青○ンだなんて、何処までもEROスな男です、アイオロス(遠い目)

2009.06.08



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