圧し掛かってくるデスと、その大きな身体に押し潰されそうな私。
狭いソファーの上では、思うように身動きが取れなくて。
抵抗するどころか、逃げようとする事さえままならない。
まぁ、抵抗する気も逃げる気も、私にはサラサラないのだけど。


「まだ天変地異、起きてないんだけど?」
「あぁ……。」
「この世に二人っきりには、なってないわよ?」
「だな……。」


先程までのニヤけた表情とは、まるで違う。
今のデスは、何て真っ直ぐな目で私を見下ろしてくるのだろう。
その瞳の色は、この世に二つとない紅く澄んだ宝石だ。


「アリア……。」
「何?」
「凄ぇ欲しくなってきちまった。」
「うん……。」


何が? なんて、そんな野暮な事、聞かない。
デスの紅い瞳が私を射抜く度、その揺れのない真っ直ぐな感情に心乱され、私も彼が欲しくなるから。
その時折見せる真剣な表情は、彼を普段の数倍、色っぽくみせる。
その視線ひとつで、私の心も身体も、内側からゾクリと痺れるような震えに囚われしまう程に。


ひとつになりたいと願う欲求に、心は支配され。
デスも私も、想いに流されるまま、その欲望に従った。



もし、世界が滅びる日が来ても、私は貴方の傍にいる



温かな日差しに包まれた部屋の中で、私達は思うままに抱き合った。
「好きだ。」とか「愛してる。」とか、そんな言葉はなくても、彼の熱を感じるだけで、気持ちは溢れる程に感じられる。
そして、強く思う。
私はずっと、彼だけのものだと。



‐end‐





蟹誕に向けて甘い夢をと思い、書きました。
蟹さま、寝起きで盛ってます(苦笑)
彼の良さが全然、出てなくて泣きそうですorz

2008.06.14



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