沙織:「質問も八十番台に突入ですね。では、八十一問目です。理想の結婚生活について教えてください。」
山羊:「今と変わらず穏やかにノンビリと、といったところか。」
飛鳥:「私はやっぱり『あの二人、あんな年齢になっても手を繋いで歩いているだなんて、随分と仲良しねぇ。』っていわれるくらいにはなりたい。」
沙織:「シュラが飛鳥さんと手を繋いで歩けるようになるまでは、何年も掛かりそうですけど。」
飛鳥:「大丈夫! おじいちゃん・おばあちゃんになるまでには、きっと何とかなるから!」
山羊:「(何とかなるだろうか……?)」


沙織:「どうやら暫くは結婚シリーズのようですわ。八十二問目、仕事と家庭はどちらを重視すべきだと思いますか?」
飛鳥:「シュラは黄金聖闘士だから、仕事というか、任務を最重視するのは当然。」
山羊:「飛鳥が理解してくれているから大助かりだ。」
飛鳥:「その分、私も目一杯、大好きなお菓子作りに没頭させてもらってるもの。」
沙織:「飛鳥さんのお菓子作りは、趣味というよりも、既にお仕事に近いですものね。」


沙織:「次は八十三問目です、二人で住むならどういうところに住みたいですか?」
山羊:「別に俺の宮で問題ないだろう。」
飛鳥:「他のところに二人で住むイメージも湧かないし……。」
沙織:「あら、そうですの? 暖かな海辺とか、自然溢れる山野とか、南のリゾート島とか、NYのど真ん中とか。憧れる場所なら山ほどあるでしょうに。」
山羊:「う〜ん……。」
飛鳥:「う〜ん……。」


沙織:「やはり普段と変わらずが一番なのでしょうね。では、八十四問目、どちらかの親と一緒に住むことに抵抗はありますか?」
山羊:「親、居ないしな。」
飛鳥:「私のところも、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんしか居ないから。」


沙織:「同居問題はお二人には関係なかったのですね。では、次です。八十五問目。もし二人が結婚したら、夫は亭主関白? 尻に敷かれる?」
山羊:「互いに譲歩し合って上手く遣り繰りしているから、どちらにもならないだろう。ただ……。」
沙織:「ただ、何ですの?」
山羊:「飛鳥が菓子を作っている間のキッチンの中では、俺は下僕と化す。」
飛鳥:「その言い方は酷い。まるで私がシュラを扱き使ってるみたいじゃない。」
山羊:「(扱き使ってるだろ、間違いなく……。)」


沙織:「ふふふ、頑張ってくださいね、シュラ。さぁ、八十六問目に参りましょう。もし二人が結婚したら、夫の家事は期待できますか?」
飛鳥:「シュラは今でも御飯作ってくれたりするよ。とっても美味しいから大好き。」
山羊:「基本的に時間が不規則なので、あまり飛鳥に迷惑を掛けないよう、自分で出来る事はなるべくするようにはしている。」


沙織:「シュラは良い旦那様になりそうで羨ましいですわ、飛鳥さん。では、八十七問目です。こんな結婚式にしたい、という願望はありますか?」
飛鳥:「どんなっていうのはないけれど、一つだけ絶対っていうのはあるかな。」
山羊:「アレの事か?」
飛鳥:「そう。私が全身全霊を掛けて作った巨大なウェディングケーキを、みんなに振舞うの。」
沙織:「まぁ、素敵ですわね。飛鳥さんの作るウェディングケーキ、さぞ豪華で立派なのでしょうね。」


沙織:「次は八十八問目ですね。新婚旅行はここに決めている! という場所はありますか?」
山羊:「そうだな……。」
飛鳥:「え、あそこでしょ?」
山羊:「何処だ?」
飛鳥:「熱海。新婚旅行と言えば、熱海でしょう。」
山羊:「(いつの時代の話だ、それは……。)」


沙織:「確か、熱海にもグラード財団の経営する温泉宿があったように思うのですが……。後で確認しておきますわね。それでは、次です。八十九問目、子供は何人ぐらい欲しいと思いますか?」
山羊:「子供か……(チラッ)。」
飛鳥:「何、シュラ?」
山羊:「いや……。子供が出来れば、また悩みも増える。暫くは二人だけで仲良く過ごすのも良いだろう。」
飛鳥:「まぁ、時が来れば……、ね?」


沙織:「遂に九十問目です。どんな家庭を築きたいと思いますか?」
山羊:「いつまでも仲良く、喧嘩をしない。朗らかで、宮に帰るだけで癒される。そんな家庭だな。」
飛鳥:「お菓子もたっぷりと用意されていてね。」
山羊:「そうだな、そこは大事だ。物凄く大事だ。何よりも大事だ。」
沙織:「シュラ、甘いものに固執し過ぎですわよ。」





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