沙織:「少し質問を変えましょう。六十一問目です。将来の夢、もしくは憧れている職業は何ですか?」
山羊:「飛鳥の夢は、この聖域内にパティスリーを開く事だったな。」
飛鳥:「聖域内の市場にベーカリーはあるけど、パティスリーがないのが不満だったから。私が絶対に開いて見せるって決めてるの。あ、お店の名前は『Patisserie Capricornus』で決定ね。」
山羊:「その名前、考え直さないか?」
飛鳥:「え、どうして?」


沙織:「六十二問目ですわ。相手の夢や職業について、どう思いますか?」
飛鳥:「聖闘士としてのシュラの事は尊敬してるわ。命を懸けて、世界のために戦うだなんて、ただ覚悟を決めただけでは、とても出来る事ではないもの。」
山羊:「俺もパティシエとしての飛鳥を尊敬している。勿論、夢も応援してるし、微力ではあるが俺の力だって貸すつもりだ。」
飛鳥:「シュラの力って……。それは開店資金の事?」
山羊:「いや、そうではなく……。」


沙織:「飛鳥さんは天然ですわね。ふふっ。では、六十三問目。嫉妬深いのはどちらですか?」
山羊:「…………。」
飛鳥:「それは当然、シュラでしょ。自覚あるから黙り込んじゃっているもの。」
山羊:「……飛鳥が可愛過ぎるのだから嫉妬もする(ぼそり)」
飛鳥:「え、何?」


沙織:「次は、六十四問目です。焼き餅を妬かれることに対して、どのような印象を持ちますか?」
飛鳥:「シュラが焼き餅を妬く必要なんてないと思うけど。だって私はシュラ一筋だもの。」
山羊:「だが、お前の気を惹こうと群がってくる奴等がいる限り、俺の嫉妬は消えん。」
沙織:「あら。嫉妬深い男性は嫌われますよ。」
山羊:「っ?!」


沙織:「シュラ、汗だくですわよ? では、六十五問目ですわ。束縛すること、されることについて、どう思いますか?」
山羊:「好きならば束縛したくなるのは当然だろう。ずっと磨羯宮に閉じ込めておきたいくらいだ。」
飛鳥:「その割には、外では冷たい態度で余所余所しく振舞うって、どういう事なのかな?」
沙織:「シュラは言っている事と、取っている態度に矛盾がありますわね。」
飛鳥:「ほらぁ。沙織さんも、こう言ってるよ。」


沙織:「次は六十六問目ですが、この質問は無意味かもしれないですわ。年齢差のある恋人について、どう思いますか?」
飛鳥:「年齢かぁ。好きならば、そんな事は関係ないんじゃないかな。」
山羊:「年齢差があるという訳ではないが、実際のところ、飛鳥の方が俺よりも年上だしな。」
沙織:「え、そうなのですか? 知らなかったですわ。」
飛鳥:「シュラより一つ、年上なだけなんですけどね。」


沙織:「さあ、六十七問目にいきましょう。相手の喫煙・飲酒について、どう思いますか?」
山羊:「酒はストレス発散の一種だ。大体、この聖域で禁酒など無理がある。皆、ウワバミのように飲む奴等ばかりなのだから。」
飛鳥:「本当に皆、お酒が強いよね。あのハイペースには、とてもついていけないもの。」
山羊:「煙草は好かん。あれは飛鳥の繊細な菓子の味を分からなくする。」
飛鳥:「そう言っていただけると嬉しいですわ、旦那様。」
山羊:「……だから、旦那様は止めてくれ。」


沙織:「次の質問は少し変わっていますわ。六十八問目です。相手に「宇宙人を見た!」と真剣に言われたら信じますか?」
山羊:「飛鳥なら言い出しかねんな。信じる信じないは兎も角、話はちゃんと聞いてやると思う。」
飛鳥:「う〜ん、シュラは現実的だから、そんな事は言うのは想像出来ないな。例え本当に宇宙人に会ったとしても、気の迷いだとか、疲れているんだとか、自分に言い聞かせて胸の奥に仕舞い込んで、私には言わないと思う。」


沙織:「次はとても興味深い質問です。六十九問目。浮気について、どう思いますか?」
山羊:「フンッ。そのような事、マトモな男のする事ではない。」
飛鳥:「シュラは真面目だから。お陰で私は安心かな。とはいえ、浮気の心配はなくても、シュラの冷たい態度に不安になったりするけれど。」
山羊:「それは……、仕方ないだろう。耐えてくれ。」
飛鳥:「私に、今以上に耐えろと?」
山羊:「だから、スマンと言っている。」


沙織:「次も浮気関係の質問です。七十問目、もし相手が浮気したらどうしますか?」
山羊:「飛鳥は悪くない。彼女を誑かした男の方を叩き斬る。細切れにして、ケルベロスの餌にしてくれる。」
飛鳥:「シュラ……、そんな物騒な事を言わないで……。」
山羊:「お前はどうなんだ? 間違っても有り得ないが、もし俺が浮気をしたらどうする?」
飛鳥:「それは決まってますよぉ。シュラには一生、糖分を与えません。一生、永久にね。」
山羊:「……き、厳し過ぎるだろ、それは。」





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