闇のリズム的にゃんぱにな新騒動48
2023/03/19 01:55


シュラ様達はデスマスク様と遊んでいるから良いとして……。
カプリコちゃんは、退けてくれそうにないですね。
ドッシリと伏せって、テーブルの上を見事に占拠していますもの。
彼女のお腹の下の帳簿は、暫く救出すら出来そうにない。


「仕事をするなという事でしょうか……。どうして良いのか分かりません。」
「ミャーン。」
「はぁ、仕方ないですねぇ……。」


退ける気配のないカプリコちゃんは諦めて放置し、遊びに夢中な猫ちゃん達に近付いた。
背後からコッソリ……、なんてつもりはないけれど、すっかりデスマスク様に篭絡されて隙だらけになっている彼等は、私が近付く気配に全く気付かない。
猫ちゃんの姿になっているとはいえ、黄金聖闘士がこんな状態で良いのでしょうか……。


「ミャッ、ミャッ。」
「ミミッ、ミッ。」
「平和ボケでしょうかねぇ。」
「いや、俺のテクニックの賜物だろ。」


その言い方、止めてもらえませんかね、デスマスク様。
非常に、その……、いやらしく聞こえます。
猫ちゃん達相手に、何のテクニックを発揮しようとしているのやら……。


「猫吸いしたいー、猫吸いー。アイオリアのお腹ー、吸いたいー。」
「っ??!!」
「ミャッ?!」
「ミッ?!」


それはあまりに突然の出来事だった。
誰も居ない筈の、部屋の片隅からの呟き声に、その場の全員が驚きで固まってしまった。
一体、いつの間に部屋へと入ってきたのか?
しかも、デスマスク様にも、猫ちゃん達にも気付かれずに、どうやって?
ハッと息を飲んで振り返ると、そこにはまるでゾンビのような顔色をしたアイオロス様が、ゾンビのようなドンヨリとした雰囲気を漂わせて立ち尽くしていた。


「ミミャー! ミャー!」
「シャー! キシャー!」
「あ、あ、アイオロス様? い、いつの間にいらしていたんですか?」
「いつの間にって、たった今だけど?」
「俺もコイツ等も気付かねぇって、アンタ、一体、どうなってンだよ?」


シュラ様とアイオリア様は、逃げるようにダッシュでキャットタワーの最上部へと上り、デスマスク様は驚愕と恐怖の入り混じった表情で、アイオロス様の事を見遣る。
シャーシャーと上がる威嚇の声に、寝ていた筈のカプリコちゃんも何事かと顔を上げた。


「暴君だ……。あれは紛う事なき暴君だ……。」
「あ、暴君? 誰の事だ?」
「サガに決まっているだろう。他に誰が居るんだ? 俺の時間と行動と自由を全て奪って書類を山積みにする、あの悪魔のような男を暴君と言わず、何と言う。」


血走った目を更に見開き、力説するアイオロス様。
確か、ムウ様によれば緊急性の高い仕事は、特になさそうだと言っていた。
シャカ様もヘルプに入っているから、サガ様も無理はされていないだろうと。
しかし、アイオロス様の、このやつれ様は酷い。
現実逃避と言わんばかりに、「猫吸いしたい。」と呟き続け、まるで猫ちゃん枯渇病のようではないか。
一体、何があったのだろう?


(つづく)


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