数多の製図用シャーペンを生産し続けてきたぺんてるの新型、グラフギア。普及品と上級品で機構を違えた意欲作です。
普及品のグラフギア500はノック式。
クリックつき芯硬度表示兼用ノックボタン、再生樹脂製後軸、仕上がりが良いローレットを刻んだ金属製前軸、長く突き出た芯先から成ります。
前軸と後軸の段差に指をかけると、軽い力でも前方に筆圧をかけやすくなり、前重心なことと相乗して軽い筆圧で扱えます。
作図にも便利な段差ですが、前寄りのため、シャーペンを直立させると自分の指がジャマになって芯先が見づらくなります。
パイロットSシリーズのように前軸が長ければより後ろを握れるため、軸中央にも滑り止めがあるといいですね。
グラフギア500のノックボタンはSシリーズに流用できます。
芯硬度表示範囲(共にFなし)
.3mm : 4H-B
.7mm : 2H-B
芯繰出し量は.3芯径で0.3mm、.7芯径で0.6mm前後。
芯先が長く突き出ているためチャックとスリーヴ先端までの距離が長く、残芯も長くなります。
また、芯を入れてからスリーヴ先端に芯が到達するまで30回ノックしなければならない(.3の場合)のは欠点かもしれませんね。
しかし製図用としては繰出量が少ないのは長所なのです。
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上級品のグラフギア1000はダブルノック式。
ダブルノック解除レバー兼用クリップ、梨地仕上げ調の金属製後軸、細かいローレットとゴム製滑り止めを組み合わせたグリップ、長く突き出た芯先から成ります。
重心はほぼ中央、ダブルノックペン先は僅かにぐらつき、筆記時の感触はよろしくありません。
ダブルノック解除は勢いよくばちん!と行われるため壊れやすそうで心配です。
作図では軸の段差が殆どないため、軸後方を握っても違和感なく、ペン先のぐらつきも気にならなくなります。
芯繰出し量は.3で0.3mm、.7で0.7mm、芯径とほぼ同じ。こちらもノックが30回必要。
芯硬度表示は口金を緩めて変えます。芯硬度表示範囲(共にFなし)
.3mm : 2H-2B
.7mm : H-2B
グラフギアシリーズは発売当初、.3芯径に必須のクリーナーピンが付属していませんでしたが、2006年以降改善されました。
製図では線の種類によって線幅が変わるので、製図用には複数の芯径が供給されています。
グラフギアシリーズは五芯径あって、使い分けられるよう芯径識別色が割り振られています。
ぺんてるでは伝統的に.3が茶、.5は黒或いは白となっており、iso規格の.3/黄、.5/茶と合わず、この芯径識別色はぺんてる独自規格のようです。
青はぺんてるでもisoでも.7mm。