ヘタレにおしおきえっち1
付き合いはじめてからというもの、俺の以前の自慰の頻度イコール……いやそれ以上に身体を重ねるようになった。
「……なんかさー、こういうの」 「夫婦みたいって?」 「ん"っ、うん、そう」 「それはいいんだけど、当たってるよ研二くん?」 「……だめ?」 「いいよ」 たまにご飯を作る後ろ姿にムラムラして、後ろから抱きつき悪戯したら、次の日に裸エプロンで仁王立ちしていたり。 「おはよう研二。好きでしょこういうの」 「もうめっちゃ好き」
「んぅ……」 「かぁーわいいの」 「……ぁ……っ、ん」 朝起きて隣で無防備に眠る彼女に我慢できず睡姦したら、夜には露出の多いネグリジェで潜り込んできたり。 「━━? なんで足元から……っ! ね、ちょっと待っ、んっ!」 「ぁむ、んちゅ」 布団の中でイタズラからのフェラはいろいろとキた。
暇があれば猿のように彼女を襲って、お互いの部屋を行き来しながら快楽を貪った。 まあそんな生活をしていれば自分で処理する機会など必要なくなるもので。そんな時に自室から、以前使っていたオカズのDVDなんかが出てきた日なんかは背筋が凍った。
「ちが、これは違くて!! ほら松田! 松田にあげようと!」 「この女優さん、松田くんの彼女に似てるねえ? 松田くんにはご本人がいるから必要ないんじゃない?」 「大丈夫俺にも必要ないものです処分します!!」
研二には私がいるから必要ないよね? と副音声が聞こえてきそうだった。嫉妬してくれてると気付いてにやける頬を必死に隠した。 顔はともかく声が君に似ていたから使っていた、と後で伝えたら、ちょっと赤くなった彼女がすごく可愛かったのでこのあとめちゃくちゃセックスした。
そんな日々が突然終わったのは、俺が爆弾事件で入院したからだった。 俺は大怪我で済んだ。もしかしたら本当に死んでいたかもしれないと思うとゾッとする。 あの子を一人遺すわけにはいかないからと、対爆スーツを着ていたことが功を奏した。
松田の彼女がお見舞いに来て、とんでもない爆弾を置いていった。爆弾とはもちろん比喩である。松田とその彼女が別れたと聞いて、色んなことを問いたかったのにその爆弾のせいで全て吹っ飛んでしまった。 渡された紙袋の中には、紐……ほとんど紐にしか見えないような女性用下着と、いわゆるローターと呼ばれるアダルトグッズなどが入っていた。 しかもこれは、彼女が欲しがってたもの※おまけもはいってるよ! らしい。あの子が欲しがったとすれば下着の方だろうか。いくらか前に、紐パンじゃなかったことに俺ががっかりしていたから……? まさかパールがついたガチのセクシーランジェリーを穿かされた友人というのは彼女のことだろうか。違うよな? 俺親友の性癖とか知りたくねえんだけど?
色んな意味で呆然と松田の元彼女の背中を見送って、ほどなくして俺の彼女が病室に来た。
「ああ、よかった。じゃあちょっと待っててね」
俺が真っ赤な顔で差し出した紙袋を、彼女は平然と受け取り部屋から出ていった。 さんざんやることやっといて照れるなって話だが、自分から襲うのと彼女から誘惑されるのだとだいぶ違う。
病室に戻ってきた彼女は、カーテンを閉めて俺の上に膝立ちになった。紙袋から取り出した布を俺の胸の上にぱさりと落とす。 見間違いでなければ、おそらく、彼女がさっきまで穿いていたぱんつだ。
「!? は、え、ちょっと!?」 「入院生活で溜まってるでしょ? ろくに動けないだろうし」
確かに腕も脚も包帯だらけでほとんど動かせない。セックスも自慰も頻度はゼロになっていて、明け透けに言ってしまえば溜まっている。
「それと、大怪我した研二にお仕置き」
語尾にハートがつきそうなほどの声と笑顔に、冷や汗が止まらなかった。 戻る
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