異種と人間の娘 5


※原作のネタバレが含まれています。アニメ派の方はご注意ください。










DIOから逃れることのできたなまえがそこへ辿り着いた時、既に花京院は冷たくなっていた。
花京院の肌は青白くなっている。給水塔から流れ出る水によって、鳩尾の大穴から殆どの血液が失われていた。

なまえは花京院を抱え、給水塔からその亡骸を降ろした。女の腕には重いはずなのに、何故だかとても軽く感じる。

「……遅くなってごめんね。寒かったでしょう」

月明かりに照らされたその頬に触れる。その肌に温かさは残っていない。
血の気の失われた身体は、閉じられた瞼は、間違いなく花京院典明その人なのだ。

なまえはスタンドを出して、腹部の治療を始める。破れた皮膚も、潰された臓器も、失われた血液も、全ての損傷がもとに戻った。そこには傷痕ひとつ残っていない。

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