short お疲れのようで。


「……」
「ほら、露伴」

おいで、とソファーに座って腕を広げれば素直にその中に収まり抱き締め返される。
露伴は疲れがたまると時折こうして甘えてくる。いつもより口数が減った時が頃合いだ。いつもは憎まれ口を叩くくせに、こんな時ばかりは何も言わずに頬をすり寄せてくる。その姿はまるで飼い主に甘える猫みたいだ、なんて言ったら怒るだろうけど。

「……うっ」

むしろ問題はここからで。抱き締められて落ち着くと、次に動くのは露伴の手だ。その感触を楽しむように私の身体の至るところをその手は這い回る。くすぐったいったらありゃしない。

「……かたい。筋肉か? これ」
「ちょっと最近鍛えてるの」
「ふざけるなよ。君から柔らかさを取ったら何が残るんだ」
「ひっどい! 毎回お腹の贅肉揉まれる身にもなってよ! 気にしないわけないでしょー!」

そしてまたいつも通りぎゃあぎゃあと騒がしく言い合いが始まる。
ああよかった、また元気になったみたいだ。

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