降谷
2022/04/08 00:28

降谷には結婚秒読みの彼女がいて、もちろん部署が部署だから既に「君を一番にはできない」とは伝えていた。彼女はよく分からない顔をしながらも了承はしてくれてる。
ある日のデートで行ったショッピングモールに爆弾が仕掛けられていると報を受け、

先に帰ってくれと彼女に告げて部下たちのもとへ走った。彼女は行ってらっしゃいと見送ってくれた。
爆弾は複数あることがわかっていて、小さなものが先駆けて爆発し始めた。出入口を塞ぎ、柱を壊して閉じ込めた人々を一掃する算段のようだ。避難誘導が始まった。



人のいなくなった建物内を走り爆弾を解体して回る。大きな爆弾の位置には法則性があった。次の場所へ、と走る途中、一般人が倒れているのを見つけた。自身の愛する人だった。避難する人の流れに押されて足を挫いたのかもしれない。
その場で動けなくなっている彼女の横を走り抜けた。「要援護者を発見した!三階西の通路だ!」

爆弾が残っていればどのみち彼女も死んでしまう。彼女を移動させる間に二人とも御陀仏など冗談ではない。私情を挟むわけにはいかない。
あれこれと理由を並べ立て、結局は彼女を守り向き合う自信がなかったのかもしれない。

彼女が入院したという報は、事件から数日経ってからやっと知ることができた。事後処理に追われ見舞いに行くことも叶わず、やがてメールで別れを告げられた。仕方のないことだ。怪我をした恋人に一声すらもかけず素通りしたうえ、見舞いにすら来なかったのだから。
デートが台無しになることはこれまでもあったが、仕事に理解を示してくれる女性だと、彼女の好意に胡座をかいていたことも事実だ。
メールに了承を返し、彼女との関係は終わりを告げた。






その日のデートの最後に、妊娠していることを告げようと思っていた。きっと彼は喜んでくれるだろう。
そして迎えたデート当日、彼の仕事の電話が鳴った。残念だけどここまでか。良い恋人の振りをして送り出した。戻ってきてくれたらいいな。帰るように言われたけれど、惜しくなってふらふらと時間を潰していた。その忠告を聞いておけばよかったと後で後悔することになった。
爆発音がして建物が揺れた。訳もわからぬまま、連続して鳴る音にじわじわと恐怖の連鎖が辺りを支配する。走り出した人々に押されて倒れてしまった。踏みつけられた足はヒビが入っているかもしれない。手から滑り落ちた鞄もぐちゃぐちゃになっていて、お気に入りだったのになとぼんやりした頭で思った。幸いすぐ側で爆発は起こっていない。
遠くから人が駆けてくるのが見えた。見間違えるはずもない、彼だった。ああ、助けに来てくれた、もう大丈夫だ、とホッと息を付いた。それも束の間。
彼は横を走り抜けていった。
目的が、しなければならないことがあるのだろう。

そうか、と腑に落ちた。

言われたときはよく解っていなかった。デートより仕事を優先する程度の理解しかしていなかった。

私を一番にできない、というのはこういう意味だったのか。

涙と一緒に笑いが込み上げてきた。 は、は、と乾いた声が漏れる頭上で、小さな爆発音がした。
それは、壁を崩すには充分なだけの威力だった。



全身に傷を負い、退院する頃になっても彼は一度も来てくれなかった。むしろその方がよかったのかもしれない。泣きながら理不尽にも罵ってしまいそうだったから。
だって何を言えばいいというのか?あなたがあのとき私を助けてくれていたらなんて、日本のために戦う彼に言えるようなことじゃない。
恋人との子ができたことを喜んでくれると思える人、だからこそ、その子が既に流れてしまっただなんて、とてもじゃないが伝えられない。
私はきっと、彼の顔を見るたびに、彼のことを思い出すたびに苦しくなるのだろう。
彼にまで、こんな苦しみを背負わせる必要はない。

別れましょう、と送ったメールに了承が返ってきた。少しでも引き止めてくれないのは、やっぱり私が一番じゃないからだろう。







ベタベタに数年後ポアロで女子高生やコナンくんに「恋人いないの?」等聞かれて他人よけに指輪してるとか

ストーカーにあってて断る理由にしたい



ポアロに通うようになって暫く。この前新しいバイトが入ったらしいと聞いた。
「お姉さんの話聞きたいわ! その指輪、前はしてなかったわよね!?」
「あ、これは……うーん……あまりいい理由じゃないから他の人に言わないでね? 」

「ちょっと職場の男性にアプローチされてるんだけど、あまり……その……ううん……」
「タイプじゃないの?」
「そうじゃないの。私の都合で今は恋人をつくる気は無いんだけど、その人を断ったら、その……諦めてもらえなくて……」
「情熱的な人なのね」
「それだけで済めば良かったんだけど、ポストに切手がない手紙が届くようになっちゃって」
「えっ、それって」
「ストーカーってことですか!?」



コナンくんに食い下がられて「じゃあ、特別に教えてあげる。私ね、恋人との子が流れてるの」そう言えば大抵の人は今後触れずにいてくれる。
とか言ってたら店に入ってきた安室。夢主は聞かれたかもしれないって戦々恐々するけど幸い聞かれてない。


初めましてで、降谷でなく安室として再会でFA
お互いにお互いのことを知らないふりして、相手が気付いてることにも気付いてる。


降谷の元恋人、安室とのセッで「れい」って呼んでくれ



ストーカー撃退後、安室透が夢主に告白するけど
「好きな人がいるんです、あの人じゃなきゃダメなんです」
「なら、”俺“はっ」
「あの人とはもう駄目なんです!」
手首を掴まれたまま俯いて、叫ぶように拒む。
「好きで好きでたまらないのに、顔を見ることもつらいなんて、こんな気持ち知りたくなかった……」


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