Uno

私はこの春、洛山高校に入学します

生徒代表の言葉を読むことになりました、緊張はしていません、多分…

校門まで車で送ってもらい
明日からはお父様に言われた通り送り迎えはいりません
と言えば、使用人さんに心配そうな顔をされ

大丈夫ですよ、そんな心配することないでしょう?と諭したような言い方をすると少し不満そうな顔をされ

いったい何が模範解答なのやら


校内に入り、職員室へと向かう
打ち合わせなどあり、早く学校に来たのでまだ生徒はいないようだがやはり気にしてしまっていたらしく手を固く握ってしまっていて

我ながら弱いなと自分に呆れる



職員室のドアの前に立ち、ノックの音を響かせる

「新入生の輪宮司です。
代表の挨拶の打ち合わせに来ました」


はい、どうぞはいってください



沢山の先生方、
そして予想ではこの高校の生徒会長さん

「おはようございます、至らない点も多々あるとは思いますが、よろしくお願いします」

あぁ、こちらこそ。

これが原稿です、チェックをお願いします


はい、大丈夫ですよ
本番は期待しています

ありがとうございます

なんてテンプレートのような会話をしていた

「輪宮司さん、時間があるし少し話そうか。
生徒会室においで」
と生徒会長さんが誘ってくれた

いえ、生徒会長さんではなく

赤司征十郎さん、だと思う
初めて会ったし、名前も聞いていないから絶対の確信は持てないけれど、きっとそう

二つ返事で了解してついていった




どうぞ、座って?

はい、ありがとうございます






無言の時間が流れる
少し気まずい、かもしれない



「お茶を入れようか、紅茶は飲める?」

「はい、飲めます
わざわざありがとうございます」




また無言…
生徒会長さんは赤司さんなのでしょうか
聞いていい、ですよね
間違ってたら凄く恥ずかしい…









「あ、あの」

「何?」

「赤司征十郎さん、でいらっしゃいますか」

「…あぁ、そうだよ
輪宮司舞花さん」


そういいながら微笑んだ赤司さんはとても爽やかで、年下の私がいうのはなんだが好青年だった



この人が許嫁なのか
と考えるとだんだん顔に熱が集まっていくのが感じて必死に抑えた
でもきっと、この人にはバレている




「これからよろしくね」

まずは代表の挨拶、頑張ろうか







なんて優しく言われたら落ちてしまうじゃないですか…

いや、これはきっと私だけではなくて全国の女の子が落ちる!


と思うほど輝いて見えたんです…
なんていう言い訳ですけどね





(新入生代表だなんて、頭いいんだね)

(いえ、そこまで、なんですが…)

(謙遜しなくていいんだよ、舞花?)

(名前呼びですか…)

(照れてるんだね、可愛らしい)

(いや、赤司さんからかってます?)

(そんなことないよ?舞花)

(絶対嘘ですね!!)




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