無題(1)

それはきっと夢の底。どこもかしこも血だらけの。
それはきっと夢の話。誰も彼も、見ちゃいない。


「指先でなぞった輪郭はまろく白い、陶磁器の滑らかさに反した熱を帯びて。」


嗚呼神様と、嘆く少年少女は信じていない神様に追いすがって。


「黒い茂みから滴る蜜を啜る虫がいる。かゆみのような快楽で頭が痛い。」


ある少女は地獄へ落ちることを今日も夢見ている。



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