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「なんだよ〜ず〜〜っと山じゃんか!!」
「あたり前だ!!修行だぞ!!」
「足いたいー」
『巻、鳥居』



脱力の声を上げる巻と鳥居を呼ぶと「ん?」と振り返る。その隙にすっと二人の持っているバッグを取り上げて肩に担いだ。



『持っててあげるからあともうちょっと頑張れ』
「「神夜〜〜!!」」



「神夜様〜女神様〜」讃えながら私に抱き着いてきた二人の頭を『うるさい』と引き剥がそうとするとそれより先に二人の頭がガシっと誰かの手に掴まれた。


二人が冷や汗を流しながら振り返ると背後に般若が見えているカナとゆら。そしてその後ろには冷気を纏っている氷麗と少し不機嫌そうに眉間に皺を作っているリクオがいた。



「二人とも」
「そろそろ離れようか?」



いつもより低い声でそう告げるゆらとカナに二人はこくこくと頷くとすっと私から離れて先に歩いている島くんと清継くんの元へと走って行った。



『カナ、ゆら。顔怖いよ』



溜息を吐きながらそう言えば二人はぐわっと顔をこっちに向けた。思わずその怖さにびくっと肩が跳ねた。


え、ナニコレ。


なんでこんな浮気してる現場を見られたみたいになってるの。



「神夜は自覚がなさすぎ!!」
「もっと自覚せなあかん!!」
『え、すいません!ごめんなさい!』



ずいっと顔を近づけてくる二人に慌てて謝ると二人は満足したように微笑んで先を歩いて行こうとする。そんな二人を私は引き留めた。



「何?」
「自覚したん?」
『ごめん、それはよくわかんないから無理』



即答で答えるとピクッと二人の片眉が動いた。


やべ。



『荷物持つよ。重いでしょ?』



ひょいっと荷物を取り上げて二人の背中を押す。


するとだ、二人は顔を真っ赤にしてバシッと私の背中を叩くと巻たちの元へと先に行ってしまった。


なんだなんだ。



『いった···』
「結構いい音したね」←
何その感想···



ニコッと笑って私の横を通り過ぎていくリクオ。


なんかちょっと怒ってない?なんなんだまったく···。



「姫様···」
『ん?』



振り返ると目の前には氷麗の顔。その近さに驚いて私は思わず一歩後ろに退いた。それでも氷麗は私との距離を縮めてずいっとその綺麗な顔を私の顔に近づけてくる。


しかも冷気纏ってるからすごい寒い。



「ダメですよ!」
『なにが』
「絶対ダメです!!他の人に優しくしたら若が泣きますよ!!私も泣きます!!」
『は?』



「絶対ダメですよー!」言いながらリクオの後を追いかける氷麗。


なんなんだ一体。



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