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妖怪ミステリーツアーに行く



みんながカードを額に掲げて清継くんを見つめる。このゲーム、飽きてきたな···。



「さぁ、みんな。いいかな···?それで···」



確認するようにみんなを見渡す清継くんに頷く。



「よし、行くぞ!!せーの!!」



バンッとカードをテーブルの上に置くと、



「ぐああああぁまた負けたぁぁ」
「くそーーまたリクオと神夜と花開院さんの勝ちかよッ」
「ちくしょー持ってけよ···賭けたお菓子、持っていきゃいいだろー!!」



みんなの叫ぶ声が車内の中に響いた。


ガタンゴトンと新幹線が揺れる中、ゆらは(この前から名前呼びにした)賭けでもらったお菓子を食べながら捩眼山のことを話した。



「捩眼山伝説···ですか。聞いたことないですね···」



「すみません···」謝るゆら。そんな彼女に通路を挟んで隣の席にいる清継くんが身を乗り出した。


ちなみに席順は窓側からカナ、私、リクオ。その前にゆらと氷麗が座っている。通路を挟んだ隣の席には巻と鳥居と島くんと清継くんが座っている。



「そりゃーゆらくんが知らないのも無理はない!!“妖怪先生”の様なマニアな方々にしか知られていないのだよ!!今日はそのすごい伝説とやらを聞きに行くんだ!!」



『ふーん』軽く頷く私。清継くんはまた一枚のカードを額に翳して私達の方を見る。



「そのためには「妖怪の知識」をためなければ!!

さあ!!ハイもう一度!!

ボクの考えた妖怪修行その1···『妖怪ポーカー』をやりまくろうじゃないか!!」
「えーまだやんのー?」
「妖怪の知識ったってただのインディアン・ポーカーじゃん」



そう言う巻に私はうんうんと頷いた。


「ねー」顔を見合わせ合う私と巻と鳥居を見て清継くんは「バカ言いたまえ!!」と言った。



「このカードはトランプとよく似てるが「絵」とボクの考えた「妖怪パワー」が書いてある。やっていくうちに自然と妖怪が身につくすぐれものなのだよ!!ねー、島くん!!」



島くんにふるなよ。


曖昧にうなずいた島くんを気にもとめず清継くんはルール説明をし始めた。



「ルールは簡単!!自分から見えないようにおでこにカードをおいて人の顔色を見ながらカードを交換するか否かを決める!!」
『やっぱりインディアン・ポーカーじゃん』



小さく呟いた私の言葉に、カナとリクオが頷いた。そして言われるままにカードを手に取り額に当てる。


てか、清継くんが持ってるカードって納豆小僧じゃない。



「せーの!!そりゃー!!」



清継くんの掛け声で私達はカードをテーブルに置いた。



「多分、ボクのは牛鬼だなぁー!?」



そんな彼のカードは納豆小僧。


またも同じものを引いた清継くんは絶望したように叫んでいた。そんな彼を飽きれた様に見る鳥居と巻。



「あはは···また勝っちゃった」
『はあ···』



そんな私とリクオのカードはかぐや姫とぬらりひょん。



「お前ら「妖怪運」あるなー···普通じゃねぇぜ」



そう言う島くんに私達は苦笑いを浮かべた。


まあ、妖怪だし。


リクオが必死に誤魔化しているのを横目に向こうから機内販売の女の人が来るのを見て私は立ち上がった。



『私、何か買ってくるよ。何がいいか言って』
「え?でも戦績が一番悪い人がって···」
『いいよいいよ。その一番戦績が悪い人は使い物にならないしね』



横目で落ち込んでいる清継くんを見るとみんな確かにと頷いた。


『で?何がいいの?』首を傾げると巻と鳥居が腕に抱き着いてきた。



「神夜−!やっぱいい奴!」
「男前〜!」



ヒュ〜ヒュ〜と囃し立てる二人の頭を『はいはい』と撫でているとぐいっと服の裾を引っ張られた。振り返ると氷麗とカナとゆらが私のパーカーの袖を掴んでいた。ジトッと冷たい目つきで見られて肩が震える。


なんで···。


顔を引き攣らせる私に気づかずに巻たちは注文を言う。巻と鳥居と島くんの注文を受けて振り返ると今だに冷たい目つきで私を見る三人と目が合った。


はあっと溜息を吐く。



『で、四人は何がいいの?』



そう問いかけると女子三人はパアッと顔を明るくした。


なんで。(part2)



(ホント、神夜って罪知らずだよね)



リクオが苦笑いをしているのが見えて彼の名前を呼ぶとなんでもないと首を横に振られた。なんで。


「ボクも一緒に行くよ」立ち上がったリクオと一緒にお姉さんの元まで二人で並んで歩いていく。


その後ろ姿を見つめる氷麗。



(さすが姫と若···妖怪の主となられるお方と『かぐや姫』様···。妖怪のカードでさえも率いてしまうのですね···!!そして人望もあつい······!!何よりお二人が並ぶ姿はまさに百鬼夜行を率いている時も同じ···!!)



椅子の上に乗って神夜とリクオの姿をじっと見つめる氷麗をカナが怪しげな目つきで見つめる。



(また···また、熱い視線をブツけてる···)



ーーさっきからそう。ずーーっとそう···この娘···。



「よっ···」
『半分持つよ?リクオ』
「じゃあこれお願いできるかな?」
『りょーかい』




「神夜ちゃん、リクオ君、ファイト!!」



ーー神夜ちゃん···?リクオ君···?

てゆーか、あんた誰!?



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