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突然のリクオの告白。最近なんか様子が変だなぁと思う時はあったけど、まさかこんなことになるとは。


ずっと必死で隠し通してきたこの想い


母のようになりたくないと同じ想いはしたくないと───全部母のせいにして逃げていた自分の気持ち。


射抜くような、私の心を見透かしているような紅の瞳を見るだけで自分の心に閉じ込めていた想いが溢れてくる。


問いかけられた悲しみの意味。月を見上げる度、本当のことが言えないことに苦痛を感じていた。だから無意識に悲しい顔をしていたのかもしれない。それをリクオは気づいていたのだ。だけど私が隠すことで今まで知らないフリをし続けてきてくれた。


リクオの前では月を見上げるのをやめてたんだけど···しくじったな。


だけど真っ直ぐに私を見つめるその瞳は嘘や冗談は許さないという風に険しくなっている。



"お前の気持ちはどうなんだ?"



母の事もその薄っぺらい心の壁も全てを取り払った私の気持ちは······。



『私も······私もリクオが好きよ』



本当はずっと言いたかった。言いたくて言いたくて仕方なかった。この想いを───日に日に溢れてくるこの想いを封じ込めるのは苦痛だった。


言ってしまおうとするたびに母とおじいちゃんの顔が浮かんできてどうしようもない気持ちになった。この想いをどうすればいいのかわからなくて泣いた日もあった。



『ねえ、リクオ。私、こわいの。その好き想いはいつまで続く?離れずに······ずっと愛する人の傍にいれる?』



リクオが見抜いた通りに私はずっとこわかった。おじいちゃんと母のように本当に愛する人と離れなければいけないのか。


母と同じ体験をするとは限らない。そんなの頭じゃわかってた。けど、母が体験したのは事実。そして私が逃げたのも真実。


今までリクオの感情を見ないフリをして何もかも母のせいにして逃げてきたのは私。だから今さらリクオあなたにこの想いを告げるのはおかしいと思った。



『ねえリクオ。私、どうすればいいの?』



涙を流しながらそう訴える私をリクオは力いっぱい抱きしめた。力強いその抱擁にまた涙が溢れた。痛いはずなのに、苦しいはずなのに、その言葉が口から出ない。



「オレが全部守ってやるよ。お前の想いもその涙も。───全部オレが守ってやるよ」



ーーだから、オレから離れんな。


そんなリクオの言葉に私は涙を流しながら彼の体を抱きしめた。


月明かり照らされた私達の影が───そっと重なりあった。



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