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『ん···』パチパチっと何回か瞬きをしてティアナが起き上がる。朝が弱く、一回眠りに落ちるとなかなか起きないティアナは、いつも通り自分以外いない部屋を見回した。
その時何か違和感を覚えて自分の頭を触ると、モフッとした毛みたいなものに触れた。


『んあ···?』


寝ぼけ目でそのモフモフを触りながら立ち上がる。その時お尻にも違和感を覚えて触ってみれば、毛に覆われている長い尻尾らしき感触があった。
サー···と顔を青くさせて、一気に眠気がさめたティアナがドレッサーまで走って鏡を覗き込む。
鏡に映る自分の姿に思わず声をあげた。


『なんじゃこりゃああぁァァ!!』


朝一番。部屋で寝ていたはずのティアナの声がサニー号中に響き渡って、みんなは何事かと振り返った。
一目散にルフィが駆け出すとみんなも後を追う。


「ティアナどうした!?」


バタンッとルフィが女子部屋のドアを開ければ、そこにはもこもこのパジャマを着たティアナが鏡を見て呆然としていた。


『ルフィ〜···』


みんながあっ···と彼女を見つめる。
涙目でルフィを見つめるティアナの頭には白い猫耳とお尻には白いふわふわの猫の尻尾が生えていて、思わずその姿にルフィたち男性陣は顔を赤くした。
うるうる···と桜色の瞳が揺れる。ナミは思わず抱きついた。


「可愛い〜〜!!!ちょっとどうしたのよ、その格好!」
『わかんないよ!朝起きたらなってたの!!』


興奮気味にキャッキャッと声をあげるナミに尻尾をゆらゆらと揺らすティアナが泣きわめく。
ナミが頭を撫でれば、途端に目をとろんとさせてゴロゴロと喉を鳴らした。間違いなく猫だ。


「朝起きたとき······私が朝起きたときは何ともなかったわ」
「私もよ」


一緒の部屋で寝起きしているロビンとナミが言う。


『なんなんだよ、これ···』
「悪魔の実···でもないわよね。あんた、能力者じゃないし」
「調べてみる?」
『何する気?ロビン』


話し合う女性陣たちだが、男性陣はティアナの格好に頬を赤く染めて固まっていた。
恐る恐るウソップが口を開く。


「お前···それ猫か?」
『他に何に見えるのよ』


いまだに瞳をうるうるさせたティアナが睨めば、ウソップは黙った。
思わぬティアナの姿に男性陣が固まっていれば、後ろからカナが顔を出した。どうやらチョッパーの薬の調合の手伝いをしていたらしい。


「ありゃ···みんな、どうしたの?集まって」


そしてティアナの方を見て目を見開く。キラキラと紫色の瞳を輝かせて駆け寄ってきた。


「可愛い〜!猫?なにそれコスプレ?ティアナの趣味?それともルフィがねだったの?」
『しばくぞ。』
「こわ···」
『朝起きてたらなってたんだよ』
「カナは原因わかる?」


ナミに問われてしばらく考え込んだカナは数分の沈黙後、「あっ!」と声をあげた。


「もしかしてこのクッキーかな?」


取り出したのは袋に入ったクッキー。


「昨日の夜ティアナが珍しくお腹が空いたっていうから一枚あげたんだよね」
「まさかそれで······?」
「ていうか、なんであんたそんなもの持ってんのよ」
「もらった。」
「『は···?』」


あっけらかんと言うカナにティアナとナミは呆然と口を開けた。


「この前立ち寄った島でもらったんだ〜。なんか変なおばさんにこれあげる···って言われて」


その瞬間───ティアナはカナの首に腕をまわして締め上げた。「イダダダダダッ!!」声をあげるカナが涙目でティアナの腕をタップする。

息がしずらくて、苦しい···。


『なんでそんな得体の知れないものをもらってくんだよッ!!』
「ぎ、ギブギブッ!だって美味しそうだったんだもんッ!ちょ、ティアナ!このままじゃカナ死ぬ!死んじゃうよ!!」
『死ね!!!』




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