少女の幸せとは

Step.7 六つ子と彼女の関係性
「……エ、アレ?なまえちゃーん??」
「オイクソ長男何やってんだよ!」
「キゼツキゼツーーー!」
「ちょっ、チミ達何やってるザンスか!」
「フッ…俺の魅力に充てられ」
「黙れクソ松」
「もー!おそ松兄さんが怖がらせるから!」

ハローワークにて職を探しに行ったが追い出されてしまった六つ子達が偶然イヤミを見つけ、職場を斡旋してもらい車で送られる途中、何かを発見したのか車を道路の端に寄せたイヤミが話し掛けたのは、弱井トト子の双子の妹である、弱井なまえだった。

久々に見る幼馴染の姿に、小声で自身らの感想を伝え合う彼らの耳に届いたのは、穏やかな声色だった。「秘密を共有した仲ですし」くすりと可愛らしく笑う幼馴染の姿を見たのは、10年以上も前だった。

幼き頃の自分達は彼女を蔑ろにしながらも、どこかで特別な感情を抱いていたなと過去を振り返る。勿論、トト子ちゃんもまた特別だが。
仲良くしていたのも束の間。泣き顔ばかりを思い出して苦い顔を見合わせた。
いつしか何をしても貼り付けたような笑みばかりを浮かべるようになった。

長い間避けられていたという自覚はある。が、その間も六つ子達の中の特別な感情はくすぶり続けていた。

「いい加減、素直になるザンス。」

「んなこと分かってるわ。」
「つーかさっさとなまえの手ェ離せよ」
「は!?やなこった!」
「おそ松兄さんブッコロ!!」
「ンじゅ〜〜しま〜〜つ!?」

「つーか、おそ松兄さんの膝に顔伏せてるの、なんかエロいかも」
「だぁよねぇ〜?俺も思ったわそれ。」
「おそ松兄さん最低」

「…先が思いやられるザンスね…なまえも可哀想に」
「っつーかテメーイヤミ!なまえの秘密ってなんだ!!まさか◯◯◯か!?あーんな事やこーんな事したのか!?」

「気になるんだったら本人に直接聞けばいいザンショ!ほら、着いたザンス!」
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