「…このカッコ久しぶりだなあ、」


俺の今の格好は黒のツーサイズくらいでかいパーカーと細身のパンツ、それにサンダルという男か女かわからない格好だ。ちなみにパーカーのフードは深く被っていて目元は完全に隠れている。


「その格好だと余計にチビに見えんな」


俺をからかうようにそう言って俺の頭に手を乗せてきたのはヘアバンドで金色の髪を上げてオシャレ眼鏡をかけているひーくんだ。


「…ひーくんも俺も変わんないくせに」

「あ?」

「なにさー、脅すなんてずるい!」


いつものように言い合い出した俺とひーくんを止めるのはもちろんしーくんで、そんなしーくんはグレーのニット帽を目の上あたりまで深く被っていて、ひーくんと色違いの青ぶちのオシャレ眼鏡をかけている。


「ったく、お前らはいっつもそうだな」

「ていうか、ひーくんも行くの?」

「あ?悪いかよ」


ひーくんはあそこによく行っているが、別にあの人たちと仲間といったわけではなくただ本当に入り浸ってるだけなのだが。


「いい加減にしろ。ほら、さっさと行くぞ」

「はーい」

「キティ、俺の後ろ乗れよ」

「やだよ」


ひーくんのバイクの運転は荒い。だから俺はひーくんの後ろには絶対に乗らない。





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