5
その日から数日、俺はしーくんの家でだらだらと過ごしていた。
ひーくんとゲームしたり、遊びに来たれんちゃんとようくんと課題をしたり、しーくんのお手伝いをしたりと楽しく過ごしていた。
「のん、溜まり場行くか?」
夏休みも半ばに入った頃、しーくんが唐突にそう尋ねてきた。
もちろん俺が困惑したのは言うまでもなく、きょとんとしている俺を見てしーくんは困ったように笑った。
「安心しろ、あいつは今日来ねえよ」
「ほんとに?」
あいつ、というのはもちろん理久のことで、理久は暇なときは基本的にあそこにいる。
だからいくらしーくんの言葉でも俺が疑ってしまうのは仕方ない。
「…でも」
「大丈夫だから。オマエも行きたいだろ?」
「ん、」
そりゃあ、行きたいに決まってる。あいつ云々関係なく俺はあそこが大好きだし、あの場所は俺の家みたいなものなのだから。
俺が頷くとしーくんはニッと笑うと俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
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