***



ところ変わって同時刻の生徒会室、要が一人で仕事をしていると遠慮がちに扉が開いた。


「...あいつはいないか」

「......いま、風紀...行ってる」

「いつも悪いな、小山」


生徒会室に入ってきたのは生徒会長である勝谷昴で、少し中の様子を警戒するように確認すると要に礼を言い、自分の机の方に向かった。


「...かいちょ、も...一緒に、仕事...したら、?」


机の上に溜まっている書類から急ぎのものと時間のかかるものを抜き取っている昴の後ろ姿に要が声をかけた。

ここ一週間、要が生徒会室からのんを追い出していた理由はこれだ。
『笹原にバレないように生徒会室から書類を持って帰りたいから協力してくれ』と体育祭が終わってから要宛に昴からメールが来たのだ。


仕事をしてくれるのなら、と今まで何も聞かずに協力していたが、要にとってはなぜ昴がのんを避ける必要があるのか理解できないのだ。



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