初めての仕返し
前回(act.14)あまりにも先走った行動により銀さんにこっぴどく叱られた私は前みたいに積極的に銀さんに襲いかからなくなりました。だって、嫌われちゃったら元も子もないし...。銀さんに触れられないのはかなり残念だけど...。
なので、私は新たな方面からアプローチ中です。
「銀さーん。大好き。」
「あぁ〜...知ってる。」
「銀さーん。愛してる。」
「あぁ〜...知ってる。」
「銀さーん。セックs...」
「何を口走ろうとしてんだ、おめぇは。」
ひどいな、何もクッション顔面に投げつけることないじゃないかぃ!
柔らかいクッションでも結構なスピードで当たったので一番顔で突起している鼻が少し痛んだ。
「だって〜あんまし引っ付きすぎると銀さん鬱陶しがるじゃん。だから今度は言葉で攻めてみようと思ってさ。」
「だからって昼間っから妙なこと口走んじゃねぇよ、変態女。」
「あーーまたそんな変態女とか言うっ!少しは名前呼んでよっ!!まだちゃんと呼んだことないでしょー!」
「お前のその変態が治ったらな。」
「人をそんな病気みたいにっ!!」
ま〜銀さんが私に興味ないことはわかってるけどさ(だから振り向かそうとしてるわけだし。)、少しは呼んでくれたっていいじゃん!はあ...なんだかへこんできた。
体育座りにソファーに座りながら投げられたクッションを抱きしめ、そこに顔を埋めた。すると両肩に掴まれた感触を感じ、驚いて顔を上げた。
「んな泣きそうな顔してんじゃねぇよ、”涼子”。」
「....は、ぇ?」
耳元で低く囁かれた声。そして目の前にはドアップで見える銀さんの意地悪そうな笑みを浮かべた顔。
数秒思考が停止し石のように固まった私が顔を真っ赤にして頭から煙を出して爆発した頃には既に銀さんは先ほど座っていたソファーに戻っていた。
「ぎ、ぎ、ぎ、ぎん、ぎん..さん!?い、い、今私の名前...それも耳元で....っ!?」
「いつもの仕返しだ、この野郎。」
妖しく笑う銀さんの笑顔にノックアウトした私はこの後気絶し、呆れた銀さんに介抱されるのだが、なにぶん気絶していたせいでそのおいしい状況を全く把握できないまま時が過ぎてしまったのである。
初めての仕返し
*今回はギャグよりも甘重視。
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