赤城くんの独り語りSS。
4Pに分けましたが短いです。
早く連絡先教え合っちまえよおまいら!と思って書いた物。
しかしそのもどかしさがまたいい。
雨が降ったら心が晴れる
何故なら君との出会いを思い出すから
あの日から僕の鞄には予備の折り畳み傘が2つ
学校にまで置き傘をする徹底振り
雨が降ったら会えるなんて確証は何もないけれど
『降水確率0%』
この予報でいつも気分は沈んでしまう
(1/4)
憎たらしいくらい素敵に晴れわたる空を見上げながらバスに揺れる
君は今何処にいるんだろう
雨が降らないと現れてくれないのかな
それとも、もうあれきり会うことなんてないのだろうか
はぁ、と溜め息をついた瞬間
鼻のてっぺんへ感じる冷たさ
ピシャンッ
っ!雨?!
いや、窓は閉まっているし空は雲ひとつない
出所を探して目線を上にあげる
どうやらエアコンの空調口から水が漏れているようだ
確かにちょっと効きすぎて肌寒いかもしれない
「くしゅんっ」
ほら、誰かもくしゃみを……ん?
彼女だ!!
(2/4)
奇跡と呼びたい一滴
やはり僕らを結びつけてくれた
ブォンッ
運転手が気付いたのか、暖かな風が流れ始める
ピンポーン
と共に彼女が降車の合図
見つけた喜びは一瞬
僕に少しも気付かずに席を立つ準備をする君
「あ、待っ……」
呼び止めようとして挙げかけた右手が途中で止まる
せっかく再び巡り会えたのに、踏み込む勇気が出てこない
いざ目の前にして頭を過る恐怖
拒絶されたらどうしよう
彼女はもう僕の事など忘れているかもしれない
あの時の出来事を過ぎ行く日常の一つとしか感じていないかもしれない
でも、ここで呼び止めずにどうするんだ
またいつ訪れるかも分からない雨の奇跡を信じるのか?
そんな悩み俯く僕を他所に
彼女はふと空を見上げて呟いた
「雨…降らないかな」
…もう、奇跡を待つなんて我慢できない
「あ、あの…!」
(3/4)
今日の天気は快晴、一応天気予報を確認
『降水確率0%』
だけどもう沈みはしない
「あ、もしもし?天気がいいから出掛けないかい?」
だってもう君と繋がる確率は100%
いや、暢気に寝ていて気付いてくれない時もあるから80%位かな?
なんて言うとまた一言多いだなんて怒られてしまうから内緒だけどね
- END -
(4/4)
<09/06/30>