「総悟絶対2人の様子覗くと思ってた」
私の作戦に乗ってくれた時は、ノリノリで稟を騙して連れて来てたのに、たどり着いた途端に私の手を引いてその場から立ち去った
てっきり面白そうだから覗くぞとか言われると思ってたのに
「俺ァそんな野暮な事しねェよ、何で好き好んで土方さんが上手く行く様子を見なきゃならねェんでィ」
「ふ〜ん」
その割には、2人が上手く行く様に1番頑張ったのは総悟なんだけどな
まァいっか!!
「トシ今頃夢見てる気分かもねェ〜」
あー…やっぱちょっと見たかったかも
稟が俺に【大好き】って言って 俺の手ギュッと握って泣いている
…なんだコレ夢か?夢なのか?
しかも、【好き】じゃなくて【大好き】って……
どっから夢だコレ?
ストーカー捕まえた辺りは、確かにまだ起きてた
その後、鈴菜に何故か人気のない所まで連れて来られた時もまだ起きてた
少しここで待ってろと言われて直ぐ稟が来た、その時もまだ起きてた
アレ?俺寝て無くねェか?
……って事は、
「夢じゃ無ェ…」
……………マジでか
「…稟?」
『…グスッ……?』
恐る恐る呼びかけると相変わらず手を握ったまま、俺を見上げる
「そ、その……俺の事を…ほ、本気か?」
まだ信じられなくて思わず聞いてしまった
コレはアレだ…!! 聞き間違いとかで恥掻くのはゴメンだから、決してもう1回聞きたいとかじゃ無ェ!!
いや、聞きたく無い訳じゃ無いけどな!!
『〜〜〜//!!……(コクン)』
聞いた途端、顔を真っ赤にさせた後 確かに小さく頷いた
『…ちょ、調子良いのは、分かってる』
好きだったって言った事もあったけど まだ、どっかでずっと総悟を想ってた
だから、他の人と付き合うとか頭に無かったのに
トシに告白された途端意識し始めたとか
急に頭から離れなくなったとか
一緒に居れる時間が嬉しかったりとか
全部が全部、何かの勘違いだと思った時もあった
『でも、本当に気付いたらずっとトシの事考えてて……バイトの時もずっ………、ッ!!』
「わかった」
気が付いたらトシに抱き締められていた
ギュッと手は繋いがったまま、片方の手で私よりも力強く抱き締めてくれた
「稟」
私の名前を呼んで顔をあわせる
いつもは、目線よりも上にあるトシの顔が今は同じ位置にある
その場から動く事無く、話し始めた
「全然、調子良くても良い……それでも俺は今スゲェ嬉しいんだ」
『!!』
そんなのタイミングの問題だ
稟に、 総悟よりも俺の事をちゃんと考えてくれって 俺はあの日言った
「それだけの話しだろ?」
俺があの時伝えて、お互い色々考えて、それが今に繋がったんだ
「だから余計な事考えて傷つくな、俺はそんな事何の問題にも思っちゃいねェよ」
本当に気にしてない様子のトシ
気付いたら涙は止まっていた
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