『……ん…?』



額のヒンヤリとした感覚に目が覚めた
しばらくボーッとしてから辺りを見渡す


…私の部屋?
なんで…と言うか私いつ寝たっけ…?


買い出し行って、それから…あ、そうだ沖田さんを探してて、見付かって、それから…



『どうしたんだっけ…?』


「急にぶっ倒れたんでさァ」



ガラッと障子を開けて入って来たのは沖田さんだった
てか、ぶっ倒れたって…何で?


不思議に思う私を見て、溜め息を吐いて言った



「お前自分の体調管理ぐらいしときなせェ、普通熱あったら気付くだろ」


『…熱あったんですか私?』


そう言えばいつもより調子が悪かったけど、全部考え過ぎの不注意からだと思ってた…

そう言えば何となく身体がダル重い


熱があったとは驚きだ
オデコに手を当てると冷えピタが貼ってあった



『沖田さんが運んでくれたんですか?』


「他に誰がいるんでィ」



まァそうですよね
…って事は私+醤油も運んでくれたって事は



『…重かったですよね』


最近ちょっと太ってたし…体重バレてたらどうしよ



「別に…寝てなくて良いのかィ?」


対して気にしてない様子の沖田さん
…からかわれると思ったのに意外だな



『ん…まだ起きてたい、です』


「…あっそ」



突然部屋から出ようとする沖田さんの手をガッシリと掴んで離さない


「…なんでさァ」


『どこ行くんですか?』



今沖田さんにどこかに行かれるのは困る

私は病人です…が、まだ寝たくない、でも1人はヒマ
沖田さんもヒマそうだし、眠たくなるまで相手をして欲しい



「……」


『…沖田さん?』



反応が無い

逃がさない様に掴んだ手を見たまま動かない
…まさかシカトですか?



『お、沖田さ…』


「咲夜ちゃん熱があるって大丈夫?」



色々買ってきたと部屋に入ってきたザッキー
その瞬間、反応が無かった沖田さんがパッと私の手を払った


『…?』


「……」


急にだったから驚いたけど普通に失礼だな
別に気にしないけど



「…もしかして邪魔しました?」


「…別に」


『?』


謎な会話のあと沖田さんが立ち上がった


『どこ行くんですか?』


「厠」


そう言って今度こそ部屋から出て行ってしまった
…なんだ厠だったのか


「やっぱり体調悪かったんだね、おばちゃんが後でお粥持ってきてくれるって」


『本当ですか?やった』


「…なんか熱がある割には元気だね」


『んー、まァそれなりに?熱にやられる私じゃないです』

「倒れてたけどね」


言いながら持って来た袋から何かを取り出した


「食欲がありそうならと思ったんだけど、大丈夫そうだから」



見ると、色んな種類のゼリーやヨーグルトがあった
わざわざ私の為に買って来てくれたんだ



『ありがとう』



さっそく食べようとしたら、お粥を食べてからだと取り上げられた

…じゃあ何で今出したんだ



『…今食べないと熱が上がる気がする』


「大丈夫」


『…』




また袋に戻してしまったザッキーを恨めしそうにジーッと暫く見る


「…ハァ、何食べたいの?」


ちょっとしたら、溜め息混じりにまた袋を漁ってくれた


『ゼリー』


1つだけだよと言って、オレンジのゼリーをくれた





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