ドンッ!!



持って来た物を居間のテーブルに置いて、沖田さん、土方さん、ザッキーを見る




『月城咲夜18歳、今から大人の階段を登ろうと思います!!』




「ブッ…お前いきなり何言ってんだ!」



飲んでいたお茶を吹き出しそうになりながら、土方さんが慌てたように言う




『?』




…そんなに変な事言ったかな?



分からんが何故か土方さんは微妙に顔が赤くなっている



『何勘違いしてんのか知らないですけど、そもそもの原因は土方氏ですからねッ!!』




ビシッと犯人を当てるみたいに格好良く土方さんに指を突き刺す



「…は?俺?」



『…まさか私にあんな事言ったのに惚ける気ですか?』



全員の視線が集中する中、当の本人は意味が分からんと言った顔で私を見る




「副長いったいなにしたんですか…?」



「どんびきでさァ…まさか土方さんが咲夜に……」



『…酷いッ!!昨日の夜の事はやっぱり嘘だったんですねッ…!?』



盛り上がってるので、私も一応乗っておこうと適当な事を泣くふりをしながら言う




すると2人揃って何やら土方さんを白い目で見て、沖田さんに至っては拡声器片手に何やら叫ぼうとしている




「オイィィイ!?ちょっとまて総悟ォォオ!!違うから!!絶対それは無いから!!お前も悪ノリすんな!!」



ゴツンと思いっきりゲンコツされた










「…それで?」



『何がですか?』



「いきなりどうしたの咲夜ちゃん」




どうやら3人共私が話すのを待っていたらしい



『だから昨日の夜に土方さんの部屋に行って、土方さん私に言ったじゃないですか』



「?」








昨日の夜

寝る前に土方さんの部屋にコーヒーを渡しに行った



なんでも明日のお昼までに終わらせないといけない仕事が大量にあるらしく

眠気覚ましにとコーヒーを頼まれたのです




『土方さん入りますよー…って煙草臭さッ!?』



入ると煙草の煙が充満していて、とてもじゃ無いが私には無理だ



思わず全ての窓を開けて空気を入れ換える



「…寒ィ」



『我慢して下さい!コーヒーどうぞ』



お礼を言ってそのままコーヒーを口に運ぶ


その様子をジーッと見詰める私



「どうした?」



そんな私を不思議に思ったのか、土方さんが私に訪ねた


『…コーヒーって美味しいですか?』



土方さんが飲むコーヒーはミルクも砂糖も入っていない純粋なブラックコーヒー


私には苦くて、とてもじゃ無いが飲めない


…と言うかコーヒー自体が苦手だ




「お前コーヒー飲め無ェのか…ガキだな」



フッと小馬鹿にした様な顔で笑った









『その一言にちょっとカッチーンと来た訳ですよ』



コーヒー飲め無い奴はガキだと言うなら、飲んでやろうと


コーヒー飲めれば大人なら、是非とも大人の仲間入りをしようじゃないかと




『思ったからには早速実行しようと思って』



さっき机に置いたコーヒーを皆に見せる

ブラックは取り合えず無理だと思うから、ミルクを淹れて砂糖も加えて
咲夜ちゃん流マイルドコーヒーを作ってみた



それを皆に見せてからズズッと一口飲んでみる




『……やっぱ苦い』



どうしても消えない独特の香りと苦さに苦戦する



「別に無理して飲まなくても良いんじゃない?そのうち飲める様になるよ」



『そのうちじゃ嫌なんです、今が良いんです!』




「絶対飲まねェと駄目な訳じゃ無ェだろ、お前にはオレンジジュースがお似合いでさァ」



『全くもって嬉しく無いです』


オレンジジュースがお似合いって…
完璧に子供扱いされてる


私は大人の女になるんだ!!



『…って事で誰かコーヒーを美味しく飲む方法を教えて下さい』



この苦味をどうにか克服したらきっと私も大丈夫なはずだ!



「そもそも嫌々飲むもんでも無ェだろ」



やや呆れ顔で言う土方さんだが、今日の私は諦めません


絶対にコーヒーを飲んでやろうと思います



 




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