作戦その1


沖田君に会ったら、必ず3分以上喋りましょう




「取りあえずコレね!私が居ない時もちゃんとするんだよ」



私の脱ヘタレ計画の栄光ある1つ目の作戦は

沖田君に会ったら、必ず3分以上喋りましょう


になりました



『恋の応援の前に、なんて言うから沖田君は関係無いと思ってた』




てっきり沖田君はちょっと置いといて、ヘタレを克服するんだと思った


そんな私の考えに、葵はヤレヤレと言った様子で私を見た



「バカ者、咲夜のヘタレは基本恋愛に関してなんだから、沖田君を放置してどうすんのさ」



『…でも流石に3分喋るなんて私でも出来るよ?』


「本当に?」



ジッと私を見て反らさない



『た、たぶん。』



「じゃあ、3分じゃ無くて5分ね」



サラッと難易度を上げる葵



「絶対話しかけるんだからね!!」


『…うッす』








確かに私は言いました


出来る限り話しかけようと一応努力もするつもりです








…でも、でもさ?
流石に今は話しかけなくても良いよね?






「私のどこが駄目なの!?こんなに沖田君の事好きなのに!」



「………」





屋上で修羅場なう



お昼に屋上で食べたあと、携帯を忘れてしまって取りに来たら

なんと私が屋上から出る前に修羅場劇場が始まってしまったのです




チラッと覗いてみるとそこには沖田君と中沢さんの姿が


どうやらフられた事に中沢さんはまだ納得してないらしい…


告白してフられても納得出来ないから、また呼び出しって……凄い自信だな中沢さん


私からは考えられない行動力に、ある意味拍手を送りたい


私にもせめて半分くらいの行動力があればなァ





「ねェ沖田君!」



「つーか、あんた誰?」



「!?」






此処からじゃ2人の表情は良く分からないけど、頭を掻きながら多分面倒くさそうに言った



そしてその言葉に中沢さんはショックを受けているようだ





「…俺アンタの事知らねェし、つーか何でロクに喋った事無ェのに好きとか思うんでさァ」



意味が分からないと言った様子の沖田君




「…ひ、酷い!私ずっと沖田君の事見てたのに…そんな風に言うなんて…!」





今にも泣き出しそうな声の中沢さんに対して、沖田君の声はいつも以上に冷めている





「沖田君はどんな子が好みなの!?私頑張るから!!」





絶対に諦めないと言った様に中沢さんは叫んだ


…普通あんなに可愛い子にあんな事言われたら
どんな人でも、少しはときめいたりするものだと思う




「少なくとも俺は自分の事ばっかで、コッチの迷惑考えない様な奴ァゴメンでさァ」



「!!」




でも沖田君はハッキリと、今まで聞いた事無い様な冷たい声で言った



 

パシンッ!! 



『!?』





「…そんな、そんな事言う人だなんて思わなかった!!最低!!」




乾いた音が響いて中沢さんは走ってどこかに行ってしまった




「………」




その後ろ姿を見た後、沖田君は静かに空を見上げた


 

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