『銀ちゃん先生いますかー?』



職員室に入って用のある人物をキョロキョロと探すと、奥の方にやる気の無い銀髪頭を見つけた



「銀八先生様と呼べコノヤロー」



側まで行くと覇気の無い声で、ジャンプから目を反らさずに言う銀ちゃん




『銀ちゃん先生様プリント持って来た』



提出が昨日までの国語のプリントを渡す

銀ちゃんの事だから提出日を過ぎてても対して気にしないだろう




「おー…ってコレ昨日までのじゃねェか」



『まあまあ、』



お詫びにと言って、ポケットに入っていた飴(イチゴ味)を渡す



「…ったく、しょうがねェな。今回だけだかんな」


『ほーい』



さっそく飴を舐めている姿で言われても説得力も何も無いけど、取り敢えず賄賂作戦は使える事が分かった




それじゃあと教室に戻ろうとした所で、ちょっと待てと引き止められる




「ついでにコレ頼むわ」




ドンっと音を立てて出て来たのは
z組と書かれたノートの山



これを1人で持って行けと?



『私、か弱い女の子なんですけど…』



「心配すんな、ウチのクラスの女子はか弱そうに見える奴程頑丈だから、お前もイケる」



私の訴えも虚しく、意味の分からない説得で結局目の高さはあるノートの山を渡されて職員室を追い出された


z組じゃ無いからね私!



『…重ッ』



言っても重さは変わらないが、ブツブツと文句を言いながらz組へと向かって行く









『ウワッ!?』



ドサドサドサーーー



角を曲がった所で人とぶつかってしまい、目の高さまであったノートが廊下にバラマかれる



「悪ィ、大丈夫か?」




顔を見ると、沖田君とは違う部類のイケメンさんだった


イケメンさんも落ちてしまったノートを一緒に拾ってくれるらしく、しゃがんで集めてくれた




「…コレ俺らのクラスのノートじゃ無ェか」



『え?』



どうやらこのイケメンさんはz組の人らしく、自分達のノートを何故私が運んでいるのか不思議そうにしているので

流れを説明すると、悪かったなと言って、そのまま半分持って一緒に運んでくれた




イケメンさんは土方君と言うらしく、そう言えば沖田君並みにモテる人がそんな名前だった事を思い出す


そりゃこんなイケメンで紳士的な人ならモテる訳だと、重さも高さも半分になったノートを見ながら納得




『!!?』



なんとなく見た1番上のノート、そこに書いてある名前を見て思わず固まる



【3-z 沖田総悟】





「z組の…沖田君?昨日A組の中沢さんに告られたんだって」




『そーだった…』



前に葵も言ってたじゃないか、
沖田君はz組、そう言えばそうだった




「おい、どうした?」



固まっている私に声をかける土方君
それにすら反応出来ない



沖田君の 教室に 
今から 行く !!



…ヤバい、緊張して来た

最後に沖田君と会ったのが、この間奇跡的に自販機の前で会った時だ




連絡先もまだ聞いてない訳で、
…そう言えば今度って結局いつなんだろう?





「オイ、行かねェのか?」



固まっていた私の顔を覗き込んで、突然のイケメン土方君のドアップにびっくり



『い、行く…』





z組まであと、約30メートル


月城咲夜、いざ参る!





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