♯00 To be alluring(3/15)
白…
純白の世界……
そして、
目の前には大きな扉が
そこに本郷さくらは居た。
――どこだ?ここは?
思い出せない。何故自分がここに居るのか。
……ギィー
突然音が鳴り響いた。
扉が開いていく。
刹那、衝撃が走った。
その扉の中には……
無数の目が存在していた。
中央に大きな目が……
その目はジッとさくらを見つめていた。
頭の中で警鐘が鳴り本能的に走り出した。
しかし、
それは叶わなかった……。
扉から無数の黒い手が出てくる。
その黒い手が体中に纏わりつき扉の中に誘おうとする。
抵抗しようとしたが体の力が抜けていく。
「いや!は、なせ!離せぇ!……彩芽!!」
懸命に覚醒しようとしたが鉛のように重くなっていく瞼……。
彼女は扉の中に引きずり込まれていった……。
消えつつある彼女の意識の中で何かが弾けた。
火花を散らすような衝撃が脳を走る。
彼女は暗い意識の闇に落ちていった。
- 3 -
≪ | ≫