“何故、私の父を殺したの!?”
そう問いただしたい気持ちをグッと堪え、窓の空に目をやった。
きっとチャールズ・グレイは父を殺したことなんて覚えてもいないだろう。
だけど名前はどんな残酷な方法で彼を殺すか、それだけを考えて今日まで生きてきた。
(だから……それまでは、彼のヴァレット<近侍>として彼の傍に仕えてやる)
復讐を遂げるその日まで……
…──こうして、「近侍」と「伯爵」の奇妙な主従関係が幕を開けた。
人魚姫は魔女と契約して、脚を手に入れた。
王子を愛す為ではなく。
王子を殺す、そのために……。
「純白のミゼラブル」
続く??
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