「名前、隈できてる」
「えっ」
サラが手鏡を取り出して、そこに私の顔が映し出されると確かに目元には隈ができていた。
今日はチャールズはお仕事でいないため、サラに招待されて彼女の家に遊びにきていた。
「夫婦仲がいいのは結構だけど、ちょっとお盛んなんじゃない」
サラはニヤつきながら私を茶化す。
「そ、そんなことないわよ!」
でも、確かに、チャールズの行為は初夜を境に日々エスカレートしていった。
最初はあんなに痛かった情事も徐々に気持ち良くなって、最後にはチャールズの細い腰に自ら足を絡ませて厭らしく腰を振ってしまった。
彼に求められたら受け入れてしまう。
それはいけない事なんだろうか。
「でも、彼 浮気してるかもしれないの……」
名前がぼそりと呟くと、サラが眉をひそめる。
「浮気ィ?ま、彼 二枚目だし結婚前は女遊びがスゴかったらしいからね」
「そうなの!?」
「噂だけどね。で、どうして浮気してるって思ったのよ?」
少しの沈黙のあと、名前はティーカップをぎゅっと握ると、ぽつりぽつりと話始めた。
「実は……」
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