口を開けば生意気な台詞。
美しい曲線を描く四肢。
勝気な瞳には気高さを光らせて。
ああ今日もあの人が、ボクを喚ぶ。
最高に甘い、我儘な声にのせてーーー…
***
「ねぇグレイ、グレイ!私 イーストエンドに行ってみたいわ」
『はぁ?そんな治安の悪い所に君を連れて行って、陛下に怒られるのは誰だと思ってんの?』
両手を広げてヒラヒラと回る少女に、グレイと呼ばれた男は怪訝な顔を浮かべる。
「その時はグレイが守ってくれればいいじゃない!」
『ヤだ。君はもっと自分の立場をわきまえなよ』
グレイは鋭い瞳を少女に向け、言い放った。
『仮にも君は陛下の娘…
オヒメサマなんだからさー』← → ページ数[1/5]
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