口を開けば生意気な台詞。
美しい曲線を描く四肢。

勝気な瞳には気高さを光らせて。












ああ今日もあの人が、ボクを喚ぶ。







最高に甘い、我儘な声にのせてーーー…









***









「ねぇグレイ、グレイ!私 イーストエンドに行ってみたいわ」


『はぁ?そんな治安の悪い所に君を連れて行って、陛下に怒られるのは誰だと思ってんの?』










両手を広げてヒラヒラと回る少女に、グレイと呼ばれた男は怪訝な顔を浮かべる。







「その時はグレイが守ってくれればいいじゃない!」


『ヤだ。君はもっと自分の立場をわきまえなよ』







グレイは鋭い瞳を少女に向け、言い放った。









『仮にも君は陛下の娘…


オヒメサマなんだからさー』




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