「…全然こない。」



結局家に帰って晩ご飯も食べても携帯はちっとも鳴らなかった。



「…そういえばこんなに連絡取れないのって初めてだよね。」



不安になると悪いことばっかり思ってしまう。
もうそんな風に思いだしてしまったら目からは涙が溢れてきそうになった

一休、わたしのこと嫌いになっちゃったのかな?



「…いっきゅ、う。」






ブー…ブー…



「っ!?…でんわ?」



ディスプレイを見ると『細川一休』の文字が。
ずっと待ちわびてた人からの電話に驚きを隠せないが
落ち着いて通話ボタンを押してゆっくり耳に当てた



「…もしも『なまえ!今大丈夫?』…一休?」



勇気を出していったもしもしを見事に遮られてしまう。
その声は間違いなく一休の声で。



「うん、大丈夫だけど…どうしたの?」

『ごめん、メール今気づいたんだ。』

「そうだったんだ。」

『携帯忘れたの学校で気づいて、しかも今日練習試合だったからこんな時間になったんだ。』

「うん…」

『だからメール見て慌てて電話して……なまえ?』

「…うぅ…よかった。」

『え、なんで泣いてんの?!』



電話越しからも聞こえる慌てふためいた一休の声。

だってわたしのことなんかどうでもいいって思われてたんじゃないかって
もうメールもしたくないぐらい嫌われたんじゃないかって思ったんだもん。



『そ、そっか…あまりのことにびっくりした。』

「うん、うん…」

『あ、後さ。来週会えるから!今日の試合の分の休みがちょうどメールで言ってた日でさ』

「…ほんと?会えるの?」

『だから来週なんでもなまえの言うこと聞くから!』

「…嬉しい…ひっぐ」

『え、なんでまた泣いてんの?!俺なんかした?』

「ううん、違う…一休のせいじゃないから」



だって、だって。ちゃんとわたしのこと考えてくれてたんだって思ったら余計泣けてきちゃって。

自分のせいでわたしが泣いてると思ってた一休はさっきよりもオドオドしている。
一休には悪いけどもうちょっとだけ泣かせてもらおう。






やっぱり君だけが

( 一休、大好きだよ )



2014.12.20



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